第32話サラの「求め」は濃い。直人は意識喪失。

私、サラにとって「はじめて」のことだった。

自分から、「事情」を話したことも、男の人に「身体」を見せたことも、迫ったことも。


直人を見た時に、その首のホクロを見た時に、「心と身体」が、「燃えるように」反応を始めてしまった。

実際、直人と、どこまでの因縁があるかどうか、真実は、突き詰めようがない。

でも、見た瞬間、そうなってしまったのだから、どうにもならなかった。

(直人にとっては、無理やりで、驚いたかもしれない)

(今は、少し、いきなり過ぎたと、思っている)


でも・・・直人は、本当に、良かった。

私の中で、何度も爆発した。

そのたびに、天国とは、ここ?と思った。

幸せになった。

直人を求めて、直人が応じてくれて、うれしかった。


美しい夕焼けの中、お風呂に、一緒に入った。

直人は、また元気になった。

だから、お風呂でも、愛した。

(直人は、疲れ気味で、時間がかかった)

直人がヘトヘトになるのが、可愛かった。

何度も、復活したから、また、愛した。


直人は、肌が綺麗だ。

顏は、可愛い感じ。

どうしても、撫でたくなる。

直人は、諦めたのか、何の抵抗もしない。


他の女の子には、渡したくない。

そんな気持ちも出て来た。

直人には、他の女の子と話をさせたくないとも。


でも、このホテル・アフロディーテには、私の実家より、もっと格上の女の子は、多くいる。

旧王家、ブルボン家、ハプスブルグの末裔もいる。

(私の家など、単なる十字軍の辺境伯で、太刀打ちできない)

それに今日のことは、私が求めただけ、本当は、直人から求めたのではない。


そんな不安を抱えていたら、直人の様子がおかしい。


「サラ、出てもいいかな?」

直人の顏が赤くなり過ぎている。


「うん、出よう」

私は、直人を抱えるように、露天風呂から出た。

とにかく直人の様子が変。

足に力が入らないような感じで、ふらついている。

もう、こうなると美しい夕焼け、輝き出した星など、全く目に入らない。


数歩歩いた時、直人の身体に、また異変。

身体に全く力がない。

「サラ・・・ごめん」と、だけ。

とうとう、座り込んでしまった。


部屋のドアが開き、直人のメイド杉本瞳、南陽子、私のメイドのドミニクが飛び込んで来た。

3人で、私のベッドに直人を乗せて、脈や呼吸、体温、血圧を見ている。

(私は、本当に不安だった)

(直人に、もしものことが・・・とか)

(もし回復しても、直人に嫌われるのではないかと)


杉本瞳は、少しして苦笑した。

「頑張り過ぎたかな、でも、回復しますよ」


南陽子は、直人を楽しそうに握った。

「病み上がりで、要するに、放出し過ぎです」

「でも、回数的には、多いので、強い人です、楽しみです」


(ドミニクが、その具体的なことを教えてくれた)

(私は、耳まで赤くなった)

(自分で求めておいて)


杉本瞳も、直人を握った。

「今夜は、このベッドでお願いします」


南陽子は、残念そうな顔だ。

「今夜の楽しみがなくなりました・・・サラ様、ほどほどに」


そんなことは、耳に入らない。

直人と一つのベッドで眠る、そのほうがうれしいのだから。

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