第31話苦悩のサラ⑤サラは直人の身体を欲した。

直人は、実は困っていた。

サラの話自体も、対応が難しい。

しかし、それ以上に、自分の右手がサラの左胸の上にある。

サラが話をするたび、呼吸をするたびに、自分の手がサラの柔らかな胸の動きを感じてしまう。

まだ「女性」に慣れていない直人は、「うれしい」よりも「困惑」の方が強い。


「ねえ、サラ、ところでさ」

(直人は手をサラの胸から、離そうと試みた)


しかし、サラは直人の手を、胸から離そうとはしない。

むしろ、しっかりと、ホールドする。

「この手、気持ちがいいの、そのままにして」

「落ち着く感じなの」

「すごく、いい感じで、蕩けるような、それでいて落ち着く」


直人も、そう言われれば、どうしようもない。

そのまま、話を続けることになった。


直人

「いろんな事情を背負った人がいるようだね、ここには」


サラ

「直人だって、大変なことよ、直接命の危険だもの」


直人

「それは・・・うん・・・」

「落とされたことも怖い、でも、それは間違いらしいし」

「それ以上に、馬鹿にされてフラれたほうが辛いかな」

「でも、しばらくは、ここで過ごすしかないのだから、ここで出来ることをする」


サラ

「直人の価値がわからないのは、バカ女と思うよ」

「気にしなくていいよ、そんな女」

「私は、直人が気に入った、もう好きだよ」

「北斗七星のホクロのこともある」

「マリア様のお導きよ、きっと」

「何度も言うけれど、直人の手がすごくいい感じなの」

「胸が喜んでいる、それ、わかる」

「直人に、話を聴いてもらえたからかな」

「でもねえ・・・欧米系の人には・・・言い辛くてね」

「十字軍の話なんてさ、難しいもの」


直人は、サラの胸をキュキュッと揉んだ。

(サラはビクッとした)

「その話、変えない?」

「なんか・・・サラの胸に触りながらだと」


その直人の反応が、サラには面白かった。

「うん、変えよう、暗い話はしない」

「直人の好きな女性のタイプは?」


直人は、迷わなかった。

「サラみたいな可愛い人」

「だって、お人形さんみたいに可愛いし、綺麗だもの」


サラは、また笑った。

「もう・・・お世辞?」

「私って性格難しいよ?」

「押さえつけて、直人を責めちゃうよ」


直人も笑った。

「あのさ、そういう危険な話はしないの」

「責めるって、そもそも何?」


サラは、少し顔を赤くした。

「直人を食べちゃうってこと」

「今も欲しいよ」


直人は焦った。(身体に反応が出始めていたけれど)

「食べられちゃうの?」

(メイドとの機能検査で、最初、暴発したので、不安が大きい)

(それと、心の準備が出来ていない)

(やはりサラとは、今日逢ったばかり、肉体の関係までは、気が引ける)

懸命に話題を変えた。

「好きな音楽は?」


しかし、サラは答えない。

直人の手を自分の胸から離した。

そのまま、器用に直人に馬乗りになった。


サラの声がかすれた。

「私、わがままな女なの」

「欲しい、と思ったら、今欲しいの」

「今、応えて、直人」


サラは、自分で服を脱いだ。

「見事だ」と見とれている余裕はなかった。


直人は、無理やり脱がされてしまった。

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