第26話直人は初めての授業を受ける テストは難問

二人のメイドから「ベッドでの技術指導」を受け、直人はその夜も熟睡。

(痛み止めの薬は継続しているが、睡眠導入剤は無くなった)

(身体の芯が疲れるので、指導が終われば、5分以内に眠ってしまうため)

翌朝も、露天風呂でも、「指導訓練」を受けて、朝食になった。

(普通の和風朝食:焼き魚、漬物、味噌汁、玉子納豆、ご飯)(かなり美味しい)


隣の部屋の茜が気になったので、聞いたところ、直人とは食事のメニューが違うらしい。

杉田瞳が説明してくれた。

「茜様は、拒食症治療なので、まだ軽食気味です」

「まだまだ、直人様と同じメニューにはなりません」

「ですから、昨晩の直人様とのファミレスでの食欲は奇跡のようなもの」


朝食後は、2階の教育施設に案内された。

(ここでも、茜とは別になった)

(茜とはカリキュラムが別のため)


入った教室は、10人程度が入る小部屋。

白い内装で、濃紺の広めの机と椅子(かなり座りやすい、角度も変えられる)も備え付けられている)


正面に大きなスクリーンがあった。

(オンライン講座もあると説明されたことを思いだした)


机の上に、西洋史のテキストが置いてあった。

(直人の高校の教科書とは別の物)

付箋が張ってあったので、そのページを開くと、ルネサンス期のイタリア。

(直人が、事件に遭う前に、高校で講義を受けていた時代)


少しテキストを読んでいると、3人の女子学生が入って来た。

3人とも、ヨーロッパ風の顔立ちで、かなりな美少女)

(王族や貴族の末裔もいる、を思い出して、直人は緊張した)


その直人の緊張を和らげるかのように、女子学生のほうから、自己紹介をして来た。

(全員が日本語訓練を受けているようで、なめらかな日本語だった)


「私は、キャサリン、一族の名前は、親しくなってから」

(スレンダーな体型、目が青い、金髪美少女、ツンとすました雰囲気)


「私は、ジュリア、フランスの香水メーカーの娘」

(豊満な体型、目は茶色、髪はブロンド、可愛らしい雰囲気)


「私は、サラ。私も詳しくは言えないかな」

(直人が持つ美少女本にいるような、超美少女、目は青、髪は黒)


直人も自己紹介すると、3人とも面白そうな顔。

サラ

「ハグしたくなる、そんな雰囲気あるよ、直人君」

ジュリア

「汗臭さがない、肌がきれい」

キャサリン

「日本の男子高生の恥じらいも見たいなあ」


そんな話(直人が押されている)をしていると、正面のスクリーンに人が映った。

中年の女性だった。

「T大学で歴史を研究している菊池です」

「さっそく、中世ルネサンス、フィレンツェの部分から講義を行います」

「説明終了後に、理解度試験を行いますので、気を抜かないように」

「理解度が低いと、次のカリキュラムに進みません」


直人も、3人の外国人子女も、途端に真面目な顔になった。

やはり落第したくないと思うのは、万国共通らしい。


講義そのものは、直人の以前の高校よりレベルが高く、専門的に突っ込んだ解釈もあった。

(いわゆる受験合格のための歴史授業では、なかった)

(歴史好きな直人は、それが面白かった)


理解度試験は、穴埋め、三択と、論述問題。(机の上のタブレットに書くスタイル)

どれも中世ルネサンスに関係する問題で、直人は、穴埋め、三択は問題なく解けた。


少し困ったのは、論述問題。

「中世ルネサンスに関してのメディチ家の功罪について述べよ」だった。

直人は、中世ルネサンスの全般的な記述、大航海時代、オスマン・トルコの脅威、メディチ家、ローマ教皇、宗教改革、フランス王妃までなった、カトリーヌ・ドゥ・メディシスまで、懸命に考えて書いた。

論述問題を書き終えた時点で、完了を押した。


3人の外国人子女は、終わっていないので、直人は、ホッとした思いで、カリキュラム終了時まで待った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る