第22話モニター画面を見ながら(3人のメイドの会話)

直人と茜の「様子」は、全てモニターカメラを通して、見られていた。(監視されていた)

別室で見ていたのは、直人のメイド(杉本瞳と南陽子)と、茜のメイドの伊藤圭子(35歳)。


尚、伊藤圭子は、茜の父雄平(現県議会副議長)の元秘書。

茜を子供(5歳)の時から、よく知っている。

(後妻の苛めも、充分知っている)

茜の父雄平に頼み込まれ、(茜との関係も良かったため)、このホテル・アフロディーテで茜の専属メイドをしている。


南陽子が、伊藤圭子に声をかけた。

「伊藤さん、茜様のご様子も変わりましたね」

伊藤圭子は、驚きを隠せない。

「直人様は、私も近所でしたので実は知っていますが、これほどの効果とは、予想以上です」


杉本瞳は、頷いた。

「直人様には、不思議な癒し能力があります」

「話をしていても、わかりますし」

「特に、肌を合わせると、よくわかりますよ」


南陽子

「直人様ご自身は、気が付いていません」

「調査では、高校のクラスメイトの評価、特に女生徒からの評判が非常に高かった」

「経済的には豊かではないので、たまたま失敗もあって、彼女にフラれましたが」

「それは彼女の人間としての、程度が低いだけです」


伊藤圭子は、少し心配になった。

「このままいくと、茜様は直人様の彼女を期待します」

「でも、直人様は、他の避難女子の相談相手も?」


杉本瞳は、少し考えた。

「なりゆきでしょうか」

「トラブルになれば、転院処置もありますので」

「ホテル・アフロディーテは、嫉妬トラブルは回避します」


南陽子は、顏を赤らめながら、頷いた。

「直人様に女性の身体の扱い方は教えました」

「まだ初歩ですので、もう少し訓練しますが」

「女性を喜ばせる素質にあふれています」

「聖アフロディーテ病院の沢田看護師の報告通りで、稀有な才能です」

「その才能に期待して、紀州のホテル・アフロディーテに転院ですから」


伊藤圭子は微妙な顏。

「茜様は、直人様とは?」

「もう少し茜様に肉が盛らないと難しいかな」


杉本瞳が、モニター画面を見て、立ちあがった。

「二人でファミレスに行くようです」


その言葉で、南陽子と伊藤圭子も立ちあがっている。

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