第12話エレベーターで大型ショッピングモールを見る
杉本瞳は、赤い顔の直人に説明を続けた。
「大きな部屋でも、ご自分の部屋でも、寝るのは自由です」
「続きの部屋になっておりますので」
(確かに、「自分の部屋の壁」にドアがついている)
直人は、少し迷った。
「大きなベッドのほうが、寝やすいような」
「自分の部屋の方が落ち着くような」
南陽子が話題を変えた。
「それを決めるのは、夜でも構いません」
「その日で変えても、結構です」
「これから、ホテル内の説明を行います」
「途中でお食事も取っていただきます」
直人は、そう言われては、仕方がない。
二人のメイドの後について、ホテル内施設の見学をすることになった。
エレベーターで1階に降りる間、杉本瞳が説明。
「このホテルは、40階建て」
「直人様のお部屋は20階です」
エレベーターはガラス張りなので、1階も見えている。
広いフロアがあり、ショップも多い。
まるで巨大なショッピングモールのように見える。
また、かなり多くの人が歩いている。
日本人だけでなくて、欧米系の人も多い。
南陽子が、補足説明。
「欧米系では、旧王族の方、貴族の末裔、大企業の関係者の方」
「学者、芸術家の関係の方も多くおられます」
「全て、危険回避を目的に、滞在されております」
直人は、あまり気にしない。
そもそも、英会話に自信がないし、話す勇気も今はない。
(テストでは高い成績をおさめるが、現実に使ったことがないから)
杉本瞳が直人の顏を見た。
「積極的に交流を、大丈夫ですから」
しかし、直人は、ためらっている。
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