第7話目の前には、露天風呂、そして青い大空、果てしなく広がる青い海。

ベランダには、清潔なタオルセットが用意してあった。

目の前には、露天風呂、そして青い大空、果てしなく広がる青い海。


洗い場の石鹸、シャンプーも自宅のものとは、全然違う、高級感のあるもの。

直人は、久しぶりに、しっかり全身を洗い、大きな湯船につかった。

とにかく、今までの聖アフロディーテ病院の時は、沢田看護師の「清拭」だったので、実に解放感がある。


湯船につかって、足や手を動かして、全く問題ないことも確認した。

ただ、どうしても理解できないのは、何故新宿駅で突き落とされたのか、その後の聖アフロディーテ病院での「不思議な厚遇」そして、現在のホテル・アフロディーテの豪華さ。


そもそも、あんな大きくて豪華なホテル専用ヘリで運ばれるほどの、ことなのか、さっぱり見当がつかない。

美少女ホテルマンの出迎えは、あまり気にならない。

するっと、入院服を脱がされてしまったのは、自分がウカツだったからと思う。

(それでも、見られたかと思うと、恥ずかしいとは思うけれど、今さら仕方がない)


ベランダのドアが開いて、杉本瞳が、顔をのぞかせた。

「直人さま、あまり長湯は危険です」

「まだ、病み上がりなのですから、そろそろお風呂から出ていただいてお着替えを」


直人は、抵抗する理由がなかった。

素直に湯船から出て、バスタオルで全身を拭き、バスローブを着て、再び豪華な部屋に入った。


ベッドの上に、「着替え」がセットになって、用意してあった。

驚いたのは、下着、シャツ、パンツ、ネクタイ、ジャケットにいたるまで、直人のものであったこと。(高校の制服だった)


「実家から運んだのかな」

そんなことを思いながら着替え終わると、杉本瞳と南陽子がソアを開け、笑顔で入って来た。


杉本瞳は、驚くことを言った。

「全て、拝見いたしておりました」

「お風呂も着替えも」


直人は、顔が真っ赤になった。

「監視カメラがあるんですか?」

(それならそうと、前を隠すのに、全身を見られて、実に恥ずかしい)


南陽子は、直人の手を握った。

「これから、支配人と面会をしていただきます」

「全ての説明があります」


直人から、恥ずかしさが消えた。

まずは、支配人との面会が気になって仕方がない。

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