第21話トイレは適性語か!?

ここの建物は、三百坪を優に越えてバットを両手にブンブン振り回しても接触しはせず、マサに人口密度は、一人と言ったところだろう、俺のリュックサックは、何せ思いから工場の出入口に当たる完成機体が滑走路へ出るていどの巾10メートルの扉が収納されている戸袋の端に置かれた。


酉島直樹に依って…。


 俺たちが寝泊まりする所謂工場内の片隅から50メートルは、優にある。


「オイコラ貴様!」


「売国奴は銃殺する!」


銃剣の切っ先を僕に向けて、「ズドーン!パンパン!」


と言って背中を翻し工場の外へ出て行ってしまったのを呆気に取られた僕は時子さんと顔を見合わせ、慌てて西島を呼び戻そうとしたが、時子さんに止められ思い留まった。

 この工場はゼロ戦の両翼と尾翼と、ロケット弾が製造されていて、運よく先ほどの空襲に焼夷弾は降って来なかったとか、今思えばラッキーとしか言い様が無かった。


「あ、あの・・・。」


「何だ!?」


「トイレに行きたいんですが、トイレは何処ですか?」


思い切って聞いて見たが・・・。


「あ? あー、憚りだな!」


「水車小屋の中にある、それから貴様!トイレは敵制語だ!」


「 今度言ったら銃殺だパンパン!」


と、指鉄砲を作り撃つ真似をして水車小屋の扉の鍵を開けてくれた。


小屋の中には背の低い小さなドアが幾つもあってその中の一番右がトイレだった。

 

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