第25話 シャイ・ハロウィン
10月31日、言わずと知れたハロウィンの日。まぁそんな日にすることといえば大体想像がついているけど。
「知花っち!仮装しよっ!」
...やっぱり。
珍しく柊さんに誘われて柊さんの家に初めて来ました。でも仮想だとは思ってなかった。そういうコスプレって、友達の前だとなおさら恥ずかしくない?
「えー、嫌なんだけど...ってなんでみんなしてドア塞いだりしてるのさ」
「そりゃ、結託してるからだけど?」
「それはまたずいぶんと...」
皆はどうやら毎年恒例な感じらしい。海野さんは狼のコスプレだし、柊さんたちは...アニメのキャラみたい。最近観てないからわからないけど。で小春さんは小春さんで猫のコスプレ。かわいい。
って、そうじゃなくて。このままじゃ、コスプレされることになるんだけど?何の罰ゲーム?とはいえ逃げられそうにもなかったし着替えさせられそうになったのでしぶしぶ着替えに行く。さすがに着替えさせられるのは嫌だから追い払って。
まず赤ずきん。スカートが長めなのでこれくらいのほうが気持ち的にはありがたいんだけど、狼と一緒にいるから変ってことで次。
次にちょっと前に流行ったとある女毒剣士のコスプレ。何かが足りないって言われてボツ。何とは言わないけど。うん。
そのほかにもいろいろ着せられて、たぶん8着目くらい。結局ゴスロリ?な感じのワンピースに落ち着いた。周りからは思ったより普通のになったって言われちゃったけど、何着せようとしてたのさ。というかこれもしかしてファッションショーしたかっただけなんじゃ...?さすがに本人達に向けて言えるわけもないけど。
そしてホームパーティーに。JK事情をあまり知らず「外でパレードとかするんじゃないの?」って聞いてみたら
「そんな恥ずかしいことできるわけないじゃ~ん、それともパレードしたかった?」
「そんなわけないじゃん」
だそうです。実際私も外に出るとしたら恥ずかしさで死んでたから。丁重にお断りしておきます。
まぁホームパーティーとはいえ特別な何かがあるわけでもなく、基本的にはジュースを飲んでお菓子を食べてわいわい話して、そんな感じだ。
「というかさ~、あんなにファッションショーさせたんだから、そっちもちょっとくらい見せてくれたっていいんじゃない?」
ちょっと文句を言ってみたけど、
「こういうのは恥ずかしがる前にやっちゃうのが一番だよ」
なんて言われてちょっとムッとする。
「あっそうだ、かわいいから写真に納めちゃおーっと」
「え、ちょ」
パシャ。うん、家の中ではあるけど、もともとなのもあってすごいかわいく撮れてる。
「ちょ、恥ずかしいからやめてよ!」
「え、だってかわいいからいいじゃ~ん」
なんて騒ぎすぎちゃって。
「ちょっと、うるさいよ~」
ここの家の人に怒られてしまった。本当に反省してます。
そのあともみんなでお菓子を食べたりしつつ、最後にせっかくだしみんなで写真を撮ってお開きに。
家に帰って、みんなで撮った写真を眺める。みんなかわいいなぁ。もちろん小春さんが一番だけど!たまにはこういう思い出もいいなぁ、なんて。やっぱり恥ずかしいからあまりしたくないけど。少しニマニマしながら眠りについた。あっという間に10月も終わり、季節は冬に向かっていきます。
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