第23話 将来の夢

 今日は授業の時間を使って、将来の進路を考える時間。前世では普通に社畜だったのでそれは嫌だなぁとか思いつつ、とはいえ今はそれどころではない気もする。もともと将来の夢が全然決まってないだけなのもあって、なおさら。

 そもそも将来、友達や彼女とはどんな関係なんだろう。大半の友達とは仕事とかで疎遠になっちゃうだろうし、この恋人関係がいつまで続くかもわからない。ましてや前者は一度経験しているからこそで。

 でも、そんな話とは違って、こっちは具体的な期限があって大変だ。もちろん、友達とかの話が期限がないってわけではないけど。そういえば、小春さんはどこに進学するんだろう。そんな話、ほとんどの人とはしたことないかも。なんて思って、悩みっぱなしだしみんなに聞いてみることにした。


「私は多分大学でも運動系の何かかなぁ。」

「将来は先生になってそう」

 そんなことを言ったり言われたりしてるのは、柊さん。まぁ、大体イメージ通りで安心してる。

「将来はやっぱり本に関する仕事してそう」

「逆に何してるか、想像つかないな」

「獣医さんとか、楽しそう」

 海野さんと高月さんはこんな感じ。

「うーん、特に決まってないかな。そもそも大学に行くかすら」

 そんなことを言っていたのは星乃さん。

 そして小春さんは。

「うーん、○○大学とかかな?具体的な進路は決まってないけど、今のところ理系のつもり。」

 さらっと日本でもかなりレベルの高いほうであろう女子大を出した小春氏、恐るべし。

「どうしたの?進路に悩んでるの?」

「うん、そんなとこ」

「うーん、私も特別やりたいことがあるわけじゃないからなぁ...」

「だから、とりあえずある程度いいところに行っておこうかなって」

 みんな、案外ちゃんと考えてるんだなぁ。

 そういえば、結局前世では大した大学に行ったわけでもなくて、大した職業に就いたわけでもない。そんな過去との違いはいい友人に恵まれたことが一因だろうし、とても感謝している。

「やっぱり、ある程度いいところに行ったほうがいいのかなぁ」

 答えはまだわからないし、人に流されてばかりだ。


 帰り道で『とりあえず好きなことから考えてみたら?』とかそんなことを言われたので、家で一人考えてみる。

 好きな事...うーん...好きな人のことしか考えられない。なんて状態はさすがにまずいので無理やり何とかして。甘いものを食べること、本を読むこと、コンピューター関係...思ったより出てきた。とはいえ、その中から選んだり、ましてや目指すために勉強するのって案外大変だ。

 向いてるかどうかもわからないし、競争相手もいっぱいだし。競争が嫌というよりは、自分の立ち位置とかゴールまでの道がわからないのが怖いのかも。なんてあまり考えたことのないことをあまり考えてない気がする脳で考えて。


 そんなわけでやる気が出てそのまま勉強をしてみたけど。私はもともと頭が言うほどよくないんでした。これは苦労しそうだな、って思いつつ勉強ができるみんなに電話をかけて、また週末は勉強会になりそうです。

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