後悔して布団の中に沈んでる俺と、何故かそこに居る君
やってしまった、なんて後悔してももう遅い。結局あの後本当に気分が悪くなった事もあり早退、今日もその余波で休もうとしていた。
「はい、ありがとうございます、また夕方頃に」
休みの連絡を入れる。夕方頃にも連絡入れてくれるらしいけど起きてるかな、とも思いながら少し眠くなる。しかし先生の様子を見るにあの暴行もどきの話はそこまで大事にはなって無さそうだ。まあ希望的観測でしかないが。そう思ってる間になんか眠くなってきた。寝るか。
「……zzZ」
「可愛い寝息……やっぱりちーくん好き……昨日はあんな事をしてたのに……」
なにやらボソボソとした声が聞こえる。一体誰だろうか。俺は誰かを家にあげた覚えは無いのだが。
「ん……」
「おはようちーくん、これは夢だよ」
「……夢にしてはリアルな様な……」
まあ夢じゃないと俺にこういう呼び方をする美少女も居ないか。しかし誰だ、寝ているから膝しか見えないのだが。起き上がって見てみよう。
「あ、叶音ちゃん」
「今気付いたんだね、夢の中はどう?」
そこには少し笑顔の叶音ちゃんが居た。なんで居るんだろうか。少なくとも俺は彼女に家は教えて無いはずだが。まあ夢だし良いか。
「最高だよ、1番気になってる美少女が現れるなんて。」
「気になってるだけか、好きじゃ無いの?」
「いやまさか、好きだよ?」
ダイレクトに告白してしまった。まあ夢だし。一応夢でも聞いておこうかな。なんか本人赤面しちゃったけど。
「それより叶音ちゃん、ニシタニって名字か名前の人知らない?なんとかその人と仲良くしたいんだけど」
「西谷……私以外で他にそんな名字の人は知らないな。ごめんね。どうしてその人と仲良くしたいの?ちーくんは」
私以外というのが気になるがまあ確かに説明しないと。いくら夢であっても人の心までは読めないと思うし。
「なんか昨日その人がいつにも増してボロクソに言われてたのを聞いたんだ。怖いとか吐くとかなんとか。それで」
「そっか。やっぱりちーくんは優しいね」
そうかな?こんな俺の夢にまで出てきて質問に答えてくれる叶音ちゃんの方が優しいとは思うけど。
「そう言えば叶音ちゃん、私以外で、ってなると叶音ちゃんもニシタニっていう名字なの?」
「うん、本名は
「よろしく……」
そっか本名西谷叶音、可愛い名前だ。西谷さんって呼んだ方がいいかな?
「呼び方は叶音でいいよ、それより何か買ってくるものある?」
「じゃあスポドリと吸うタイプのゼリーみたいなやつ、お願い出来る?」
「任せて、ちーくん」
やっぱり叶音ちゃんは可愛い。本当に美少女みたいだ。こんな夢見てて良いのかな?治ったら彼女に謝っておこう。
「じゃあ、行ってくるから寝ててね」
「うん」
毎度毎度パートナーみたいなやり取りしてるけど大丈夫かな。他に好きな人とか居るかもしれない。その時はこの気持ちを抑えて応援せねば。
なんて想いを胸に秘めながら、俺は部屋を飛び出した叶音ちゃんを窓の方から見つめるのであった。
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