幕間 後味を貪る私と、もう正夢な君

あなたが伝説の龍か、という勢いでちーくんのあくびが聞こえてくる。もう眠いのかな。眠くなって蕩けるちーくんも可愛い。


「そろそろ寝た方が良いですかね……流石に寝落ちしてしまうのはまずいので……」

「そうですね……ではそろそろ?」


私は全然構わないんだけどな、なんて思いながらもここはちーくんの意志を優先する。続けちゃったせいでちーくんがまた辛い思いをしたら元も子も無い。


「まるで夢の様でしたよ……本当にありがとうございます!」

「いえいえ……こちらこそ……今度は私の方からお誘いしても良いですかね?」

「勿論!」


つい誘ってしまった、まだまだ続けたいからって。即答でOK出してくれたちーくん大好き。私の方こそ夢の様……


「ではひとまず今日はおやすみなさい……」

「おやすみなさい……」


と言って電話が切られる。L○Eは通話料なら無料なのでお財布に優しくて好きだ。それにしても本当に可愛かったな、ちーくん。かっこいい所も可愛い所も沢山見せて聞かせてくれて、どうして彼がモテないんだろ?顔立ちも整っている方だしヘイトさえ買わなければ多分沢山の女子から狙われるんだろうな。きっと本来は私みたいな自己中な屑が恋していい相手じゃないんだ。


『監視カメラの値引き、数千円位なら出来ますよ』


フリマアプリから通知が来る。そう言えば監視カメラを買おうとしてたんだっけ。


『では……』


値下げ交渉に入る。監視カメラを買おうとしてる目的は勿論ちーくんだ。彼の行動を24時間365日見守っておきたい、ちーくんの全てを受け入れたい、そんな思いで買おうかなと考えてはいる。まあ犯罪者に片足踏み込むんだけども。


『ではその値段で』


少々痛い出費だけど、ちーくんともっと居られるなら全然平気だ。それに、炎天下の中公園で双眼鏡片手にちーくんを見守る必要も無いし。


『叶う事なら、ちゃんと全てさらけ出して一緒に居たいな』


○に投稿する。既に彼と繋がってる垢は彼への惚気で溢れてはいるのだが、鈍感なのかわざと気づいてないふりをしてるのか、ちーくんにその事を言及された事は無い。まあどちらにしろ大好き。


そういえばちーくんと話したりする事で私のコミュニケーション能力というのが大幅に向上した気がする。これも彼のおかげかな。どこまでも私を救ってくれる。


『またやりたいな』


通話の感想も書いておく。彼に丸見えでも全然良い。寧ろ早く気付いて欲しいし早く結婚したいくらい。まあお互い17だからまだ無理なんだけどね。でもその位大好きだよ、ちーくん。




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