3:私、学生でした。

 今15歳って言った!?え?でも成人してるって…。

 やったああああああ!私、15歳だったわ!よかったあ!まさかこの顔で20だったらって、…、待てよ?てことは私ちょい老け顔なんじゃ…うそぉ…。それはそれでショック…。


「お嬢様?お嬢様!」

「は!あ、ごめんね、ちょっと考え事をしてて」

「お支度出来ましたよ。授業に遅れる前に出なくては」


 授業…また聞きたくもない単語が。でもそうよね。15歳って言えば学生よね。

 うん。わかってた。その位。にしても、この少し大人びた顔にこの可愛らしい制服は少し似合わない。仕方ないのだろうけれど。


「お嬢様!」

「わかってる、今行くわ」


 カーリカが本気で怒りだしているため私は慌てて立ち上がり部屋を出た。


「お嬢様カバン!カバンをお忘れですよ」

「あ!ごめんなさい!」

「どうされたんですか本当に…」

「はは、ちょっと寝不足みたいでぼんやりしてて」

「また遅くまで本をお読まれになっていたんじゃないですか?あれほど早めに寝るように言ってるのに」

「平気平気。それじゃあ行ってくるわね」


 本当は何も平気じゃないけど。

 ひらひらと手を振りながら屋敷を出て門の前に停まっている馬車に乗ろうとした。


「おはようございます、お嬢様。お手をどうぞ」

「あ…ええと、ありがとう」


 こんなの一人で乗れるってば…。

 と内心思うも差し出された手を素直に取り馬車の踏み台へと足をかけた。思ったより段差があり手を借りてよかったことに気付く。これは踏み外したら大変そうだ。


「貴族ってめんどくさそう…。そう言えば私の位?ってどこなのかしら」


 独り言を溢したところで気付く。私、普段こんなすました話し方してたっけ。と。

 ひょっとしてまるっきり生まれ変わった訳ではなく前世の記憶を思い出しただけとか、そっちの方が正しいのかも?ということは案外社交ダンスとかも踊れちゃったりするんじゃない?

 だったら話は早いわ!いいじゃない!ちょっと知らないことばっかだしよく分かんないけど覚醒する前の私がなんとかするわよ!そうそう。だって昨日まではルカが話をちゃんと聞いてたっぽいんだから。

 よーし!そうと決まればサクッと授業受けてサクッと帰るわよー!おー!

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