2:私、婚約者がいました。
にしても、随分な美少女に転生したんじゃない?これで碧眼だったら完璧過ぎるのに。まあ胸はあんまりないようだけど。18とか、その辺かしら。うーん。でもカーリカが24でしょ?まさかこの顔で10歳とかある?ないわよね、え、それだけはやめてよ?無理無理無理無理。
「ねえカーリカ」
「はい、お嬢様」私って老けて見えるのかしら」
「はい?」
何歳?なんて聞くに聞けない私は遠回しに年齢を探ろうとした。
「何言ってるんです、立派な淑女に見えますよ」
淑女…え?てことは実は私こう見えて20とかだったりする?成人してるってこと?嘘!
「ああそうだ、旦那様が成人を記念してパーティーをなさると張り切ってましたよ」
あ…やっぱり成人ってことは20なんだ。この顔で…。へー。そう考えたら少し童顔かな。カーリカと同じぐらいかしら。姉妹に見えるんじゃない?髪色さえなければだけど。って待って。パーティー?え?それって俗に言う社交界なんたらーてやつ?嘘でしょ?私踊れる自信ないんだけど?
「その、パーティーって、いつなの?」
「さあ?それはまだ未定のようですよ。でも正式な婚約発表も兼ねてるそうなので近いうちかと」
「婚約!!!!?」
「…お嬢様、声が大きいです」
こほん、と軽く咳払いをしながら嗜められておもわずごめんなさい、と謝る。
「その話本当なの?その、私に婚約者がいるって」
「お嬢様は聞いてなかったんですか?」
「ええ初耳…ん?聞いてなかった?」
「はい。先日のお食事の際に旦那様が婚約が決まったことをお嬢様にお伝えしてましたよ。お食事に夢中で聞いてなかったんですね」
微笑ましそうに笑われたけどそもそもそれは私だけど私じゃないのよ!知るわけないでしょ?って言いたいけど言えないのがなんとも歯痒い…。
「ん゛ん゛。で、そのお相手ってどなたなの?」
「本当に聞いてなかったんですね」
「いいから早く教えて!」
現代日本人は短気なのよ!や、うそ、これは私だからだけど。
「お相手はアドルネア公爵家のご長男、ハイネ様です」
だれぇぇぇ〜………。またしても知らない名前に少しでもヒントを求めていた私は内心で崩れ落ちた。しかも公爵って。貴族社会の何たるかに絶対厳しいじゃない…。そんな礼儀作法なんて今の私にはないのよぉ!
「でもよかったですね。歳上の方ではなくて」
「そうなの?はい…じゃなくて、アドルネア?様ってお幾つなの?」
「お嬢様と同じ15歳だそうですよ」
「そう、15歳…」
15!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます