第四十五話
あれほど強力な
それに、毒。
使われた毒は恐らく
……そもそも、
毒を手に入れられて、
ぞわり。
藤氏は恐らく関わっている。
でも、藤氏の誰が?
藤氏以外では、どの氏が?
文字の能力が高く
それは?
「
思考に沈んだあたしの名を、
「はい」
「……誰が
「ここに来る前、相談があると言ったのを覚えているか?」
「あ! ……はい!」
聖子皇后と
「相談と言うのはね、宮子。
「
「そう。夏越しの
「
「あたしが?」
「そう」
「折り鶴の舞いは見事だった。おかげで、
と言った。
「父上とわたしで長歌を詠めば、お互いに残っている
と言って、
「宮子の
と言った。
耳! その声で、耳元で囁くの禁止~~~!
辺りが暗くてたすかった……。
そんな場合ではないのに、あたしは心臓がばくばくしてしまう。
「あ、あの。じゃあ、
「うん、それはもう話はしてあるし。……それから、話すにしても、もう少し待ってからがいいかな」
薄明りの中で、
声が小さく聞こえる。
「お前はもうとっくに、わたしの妃であったよ、聖子」
「……はい」
「これからは肩を並べて生きていこう。言いたいことはきちんと言うがいい」
「……はい……
暗闇に白い小さな花が、ユキヤナギが舞っていた。
ユキヤナギはとても嬉しそうに、大きく一回ぐるりと白く揺れると、ふっと消えたのだった。
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