第二十四話
そして、
「ようこそいらっしゃいました」
なんて、やわらかい雰囲気なのだろう。
「
「はい、
――ああ、この方に育てられたのなら、よかった。
「今日は、突然ごめんなさい」
「いいんですのよ」
「あたし、
「私も宮子さまにお会いしたかったですよ。何しろ、
「でも、
皇后と呼ばれているが、本来は皇后の地位につけるはずではなかった。
天皇の后には位があり、
皇后の地位は特別なものだった。
天皇の子どもを産んだもの。そして、天皇に何かあった場合、代わりが出来るような高い文字の能力を有するもの。その二つが、皇后になるために必要な条件だった。
「
「そうなの?
「ええ、橘氏です。でも、橘氏でも末端で、
「そうだったのね……」
「
ふいにざあっと風が吹いて、濡れ縁から新鮮な空気が飛び込んで来た。花が舞う。白い小さな花。……ユキヤナギ?
「……
ユキヤナギの白い可憐な花がひらひらと舞う。
ユキヤナギは今上帝、つまり
「……ふふ。私ね、
阿胡はにっこりと笑った。
「ねえ、
「それは……」
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