第3話 電車で海に向かう
海へと向かう電車がもう来ていたので二人で急いで乗り込む
「ふぃ~なんかもう疲れたなぁ...」
「そうですね~なんか私の兄がごめんなさい。」
阿瀬が申し訳無さそうにポツリと言った。
あれやっぱ阿瀬の兄だったのか。兄弟揃って美形だから羨ましいなぁ。
「まぁ俺の上に姉がいるんだけど、阿瀬兄とは違ったベクトルでウザさあるから慣れてるっていうか変人に耐性が付いてるっていうか...w」
「えっ、先輩お姉さん居るんですか!? どんな人なんですか! 気になる~」
俺はスマホにある一つの画像を引っ張り阿瀬に見せる。
「これが俺の姉、なんていうか写真だけでウザったさ分かるんじゃない?」
画像には俺が寝ている時に姉が布団に侵入してきて、無許可でピースしながら勝手に俺の寝顔と共にツーショット撮られた写真が写っている。
「...先輩これ事後ですか...?」
「いやいやいやいや、無いでしょ。 いや、無いよな...?不安になってきた。」
俺が頭抱えてるのを見た阿瀬はくすくすと笑う。
「冗談ですよ先輩! 真に受けて混乱する先輩おもしろーい♡」
「おい」
「それにしても先輩の姉、先輩と違ってめっちゃ美人ですね!」
「それ俺が美人だったらどうするんよ...」
「お持ち帰り?」
「するな。」
先輩面白い~って言いながら俺の肩をバンバン叩く 地味に痛い。
しばらくして落ち着いたのか、
「真面目な話仲いいんですね。なんか少し羨ましいなぁ...。」
「いや阿瀬の兄も中々愉快で楽しそうじゃ「キモいです。」あぁそう...。」
言い切られてる兄可哀想;;
そんなこんな話している内に目的の駅にたどり着いた為電車を降りる。
ホームに足を着いた時、潮風に乗った生暖かい風と共に塩の匂いを感じる。
「海来たなぁ...。せっかく来たし楽しむか!」
「いよっしゃぁ!行くぞぉ!!!」
何やら男らしい掛け声で阿瀬は一直線に走って海に向かっていく。
そんな阿瀬の姿を見て俺は苦笑いを浮かべつつ追いかける......
先に海に着いていた阿瀬に追いつく。
阿瀬は更衣室の前で待っていた。
そして俺が来たのを見ると
「先輩、女の子の着替えは長いのでちゃんと待ってて下さいね?」
と夏の太陽に照らされた眩しい笑顔を俺に見せつつ言ってきた。
「勿論、まぁ一人は退屈だからなるべく早く来てな。」
「はーい! いってきまーす!」
手を振りながら更衣室に入っていった。
俺は阿瀬の姿が見えなくなるまで手を振り返した。
「さて、俺も着替えるか...。」
ーーーーーーーー
「ふぅ、先輩が私の姿を見たらどんな反応するんですかね...!」
私は先輩がどんな顔になるのか楽しみにしつつ更衣室から出て先輩を探す。
見つけた...???
私は一瞬困惑してしまった。
先輩は一人でベンチに座っていた。
だが様子がおかしい。
先輩が座ってるベンチの前に知らない腹筋が割れてるお兄さん?が2人居て、何やら先輩に詰め寄ってるではないか。
「先輩!何やらかしたの全く!!!」
私は不安になってどうにかなりそうな気持ちをどうにか抑え、先輩の元に駆け寄っていく。
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