第一章 平凡な日常
第1話 真夏
放課後、人気の無い校舎にある教室から男女の声が聞こえる。
「夏ですね!先輩!海行きまょう、海!」
と芸能界に居てもなんら違和感の無い綺麗な顔で可愛らしい笑顔を振りまいている。
彼女の名前は
高校1年生で、ロングヘアの黒髪をなびかせ、綺麗ぱっちりとした目、にこやかな笑顔で口角が上がっている口、雪のような白い肌、そして身体のラインがシュッとしている 。
高校で一番かわいい子は誰だと聞かれると真っ先に阿瀬みどりの名が出てくる程かわいい。
「あ〜めんどいからパスで、俺はクーラーの下でダラダラしたいんだよ。」
俺は
学生ニートだから実質無職だけど、弄るなよ?
それはさておき、俺のスペックは高校2年生で身長は男子高校生平均位で顔はデカい街に行けば、3人位は同じような顔があるというまぁこれといった特徴は殆ど無い。
運動は平均よりちょっと得意位かな?
体力テストではB判定を貰うくらい。(これが得意というかは知らん)
「先輩行きましょうよ~ 私先輩と一緒じゃなきゃ嫌なんです」
「俺にそこまでの価値無いだろ、お前仲いい友達多いんだし俺みたいな陰キャより友達と行った方が絶対楽しいよ。」
俺は肩をすくめながら言う。
そうすると阿瀬が何やらまくしたてるように発言する。
「私の水着姿見たくないんですか? 自分で言うのはちょっと恥ずかしいですけど私スタイルには自信あるんですよねぇ。」
ほらって言うように手を広げてアピールしてくる。
その場で一回転して右頬の近くでピースする。
一つ一つの仕草があざといんだよお前、俺が勘違いして告白しちゃったらどうすんのマジで。
「確かにお前めっちゃスタイルいいな。 国内探してもお前位スタイルいい子居ないよ マジでかわいいよな 外見だけは。」
「先輩...!!! ...外見だけ?」
なんか心なしか眉の間を微かに曇らしている。
あ、やべ何か選択ミスったかも。
「ん、まぁいいです先輩! 私機嫌が悪くなりました。 お詫びが欲しいです!」
「たく、しゃあねぇなぁ。 何がいい?悪いけどお金関係はNGで 今最近ゲームソフト一本買ったせいで手持ちないわ。」
「海!海行きましょう!!!」
「くっ!なんか嵌められた気がする...。」
「先輩の発言が悪かったんですよ! それで行きますよね?勿論、明日!」
「明日!?急だなおい。まぁ明日は土曜だしいいぞ。ただ飯奢ったりするお金は無いからそこだけは我慢な?」
「大丈夫です先輩!飯は私がなんとかするので先輩は明日ちゃんと起きて一緒に海に行ってくれっればそれで大丈夫です!」
「了解~」
了承と同時に帰宅を促すチャイムが聞こえた。
「んじゃ、阿瀬 帰るぞ。」
「はい、先輩どこまでもお供します!」
そういって彼女は俺の腕に抱きつく。
高校生にしてはそれなりにある胸が俺の右腕に当たる。
柔らか...。
なんて思っていると俺の腕でぶら下がり始めた。
「お前帰る気ある!?」
「無いです!」
キリッとした顔で謎なことを言ってくる。
「やめる?海行くの?」
というと彼女は渋々と行った感じで離れてくれた。
「明日絶対来て下さい先輩!来なかったら先輩がどうなっても私知りませんよ?」
ニコニコとちょっとした圧を掛けてきた。
「安心しろ俺は約束を守る男だ。」
彼女と話していると校門の前まで来た。
「私こっちなのでお別れです先輩... また明日!」
「おう、明日な~」
彼女は明日がとても楽しみという感じの笑顔で俺に 向かって手を振る。
俺も手を振り返し家へと歩き出す。
曲がり角で一度来た道を振り返ると彼女はまだこっちを見て手を振っていた。
あざといけど、マジでかわいいなあいつ。
まぁこんな事本人の目の前で言ったら調子乗るのが目に見えているから言わないが。
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