後輩の様子が日に日におかしくなっていく...
ディスペル
プロローグ
プロローグ
俺は今見知らぬ場所で監禁されている。
座り心地は無駄にいい椅子に座らされていて、腕は椅子の背もたれにクロスさせるように鎖で巻きつけられているが、足はなぜか拘束されていない。
わりと絶望的な状況に諦めていた時に声を掛けられる
「私...先輩を野に放したくないです...」
彼女は男の頬を撫でつつ心配そうな顔をしつつキレイな声で本気のトーンでそう言う。
「そう? 俺は今すぐ君に放されたいけどなぁ...」
ガチャガチャと腕に巻き付けられている鎖をアピールしつつ言う
「先輩...」
彼女はそう言うと俺から離れる。
そして...
「私の何が不満なんですか!? 私が先輩を監禁したことは先輩の為を思って! 先輩が今まで私のせいで沢山傷ついた事誰よりも知っています! そんな先輩がもう傷ついてほしくない、それなら私が守るしか無い! だから私は監禁を決行して先輩が二度と傷つくことが無いよう私が!!! 私が...」
彼女は言葉に詰まる。
彼女が俺の為と言いつつ実際は自分の為だった事に気付いたという事だろう。
そんな感じを物語っているような悲しそうな顔をしている。
このままでいけば俺はもう開放されるだろう。
俺はそう思った。
だが、そんな希望を打ち砕くかのように
「すいません先輩、私が愚かだった事に気付きました。」
そう言うと彼女は自分に近付いて俺の耳元にこう囁く。
「最初からこうすればよかったんですよね...♡」
と何やら勝手に自己完結させた彼女の様子がおかしい。
顔を上気させて荒い息を吐いている
彼女が俺の首に顔を近づける。
そしてペロッと彼女は俺の首をザラッとした舌で舐め始める。
生温かい息、甘い匂い、くすぐったさでどうにかなりそうになる。
気持ちよさに全てを投げて彼女に流れを任せようと身を委ねようとする寸前、理性がギリギリ勝ち
「何やってんだよお前!!! お前今何してるのか分かってるのか!?」
声を荒らげて言う。
「何ってあれですよ。 先輩の全てを私に全て預けてもらえるようにって落としてる所ですけど?」
そう言うと彼女はまた俺の首を舐め始めた。
ダメだ、彼女はもう狂ってしまった。
最初は良好の関係だった。こんな平凡な俺をなんだかんだ慕ってくれて、尚且つ2人で居ると退屈...なんて言葉はどこにも無い、そんな先輩後輩の関係だった筈。
だが、いつからだろうか。後輩がいつの間にか嫉妬で狂い始めた。
これは後輩が段々ヤンデレ化していく、そんな日常を描く物語。
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