第22話
再び、和弥の部屋でまったり休日を過ごす真琴。
「先週は、楽しかったわね」「あぁ、楽しかった」
「それは、そうと今日はどうすんだよ」
「ほら、今日はこれをやろうと思ってもってきたの」
「ほーん、真琴が何か持って来るって珍しいな」
そういって、和弥が椅子から降りて。真琴の向かい側に座った。
「じゃーん、これ懐かしくない?」
そこにあったのは、木製の珠が一杯棒にハマったソロバンの化物みたいな三次元五目並べだった。
「凄いな、これ綺麗に残ってるのなんて中々ないぜ?」
「まず、蓋の透明なプラスチックに土台逆さにして木の珠をぶちまけます。その後、交互にこの立ってる木の棒にいれていって先に並んだら勝ちってやつ」
はいっと、自分が白い方の珠を一個いれて和弥の方にすすっと出す。
「本当、懐かしいな……」そういって、和弥が黒く塗ってある木の珠を一ついれて真琴の方に戻した。
ん~と考えながら、白い球をまた一ついれて和弥にかえす。
「この間の所に入れて阻止しても、このポールに木の珠をいれて上にのって揃える事も考えなきゃだから意外と考える事は普通の五目並べよりも多いんだよなぁこれさ」
「だから、二人で遊ぶには丁度いいんじゃない」「それもそうか」
お互い、笑いながら三次元のポール型五目並べを何戦か楽しむ。
「変わりもののゲームとかコンピューターゲームもいいけど、こういう原始的なものも捨てがたいモノよ?」
「そりゃ、一緒にやる相手がいりゃな」
お前みたいに、暇な時ほぼ居る様な相手がいるなら。こういう、アナログな対戦ゲームも楽しいのは賛成するけど。
「今度は、オセロとか将棋とか持ってこようか」「運動好きの真琴がゲームとか、嬉しいけどそればっかだと辛いだろ?」
「いつもは、私が山だの湖だの連れまわしてるからたまにはね」
「そうだな、ただ持ってくると荷物になるし。こういう珍しいもんじゃなきゃうちにもあるだろうから、直ぐ出せる所にでも移しとくかな」
「ハイキングとかで忘れ物とかすると悲惨だから、そっちは前もって教えて欲しいけど」
「善処します~」
軽く溜息をつきながら、湖でもいくかと提案して無言で真琴がグッドサインで返す。
「雨天なら無しで」「了解、前回みたいな事にはなりたくないって感じね」
「前回は、雨がっぱ着て二人で湖いって何しに行ったか判らない景色みて帰ってきたからな……。正直、寒いだけだった」
「確かに……、お店もしまってれば景色も台無しで。いるのは、カメラ回してる雨景色取りに来たカメラマンのお爺さんだけだっていうね」
その時の事を思い出し、二人で溜息をついた。
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