R5.9月 うらがわ

製作時間:2時間30分

形式:タイトル交換


 9月も無事に短編が上がりました。

 今後もこの形式で続けていけそうな気がしております。


 今回は4500字弱と、前回より長くなっております。短編の長さとしては妥当なので、今後もこのくらいの長さで安定していきそうな気がしています。


 短編の組み立てとしては、下記の流れでした。


 最初に取っ掛かりとして、タイトルから連想された『月の明るい夜にしか、会えない人がいます。』というフレーズを一旦書いてみました。それを膨らませて、こんな感じの初期構想ができました。


月の明るい夜にしか、会えない人がいます。

・語り口調→ラジオ

・夜の散歩

・『彼女』の正体は大人になった自分


 最初はファンタジーを想定していました。書き進める内に、

・現代ならラジオよりポッドキャストの方が身近

・リスナーの体験談なら相手はパーソナリティの方がまとまりがある

・月の明るい夜→満月に限定する

といった形で収束していって、最終的にあの形になりました。


 自分の癖として「読者に裏を読んで貰う」ことを前提にしがちなのですが、今回はその手癖が全面に出ています。

 きっとレオは「飼っている亀のレオンの話」をしたんだろうな。

 だからラジオネームがカメレオンなんだろうな。

 そしたら、きっとルミはミチルなんだろうな。

 という空気読みが発生する作りです。もう少し分かりやすいと親切で良いんですが……課題です。


 ここからは裏設定です。


 レオ(月白さん)の本名は『ミチル』で、ルミ(パーソナリティのミチル)の本名は『アオイ』です。


 月白さんに出会って勇気づけられたアオイは、その名前を貰って『ミチル』として声を使う活動をしています。

 アオイとミチル、チルチルとミチルの青い鳥、青い鳥ラジオ。

 高校から続けていて、今では中堅どころとしてファンも沢山付いている、そんな配信者です。


 月白さんは月白さんで、アオイに勧め上手を褒められたのをずっと大切に持っていて、広告代理店とかで働いていると良いなと思います。

 仕事で疲れたときに、自分と同じ名前の配信者が目について、入ってみたら懐かしい声がして……そこまでお膳立てされた運命があれば、意趣返しのようなメールのひとつも出したくなる、と。


 そんな都合の良い繋がりが起きるのは物語の中くらいですが、だからこそそういう都合の良い世界が描きたくなるのが心情というものです。


 裏設定ではないのですが、作中の満月の暦は実際のものを使っております。

 私も月見酒をしてみようと、密かに考えています。


 今回も楽しく書けました。お粗末様でした。


 2023/09/18 揺井かごめ


追記:今回友人に渡したタイトルは『スロウリイ・スロウリイ・ルーム』でした。

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