第10話
「すごい景色……」
「そうね……想像していた以上。かも……」
観覧車に乗った私たちは、隣に座ってくっ付きながら外の景色を眺めていた。
遊園地全体が良く見える。色んな色の光がたくさん点いて、さっきまで楽しんでいたところと同じ場所に思えないくらいだ。あ、さっきのゲーセンあった。
「昼に観覧車乗ったの、失敗だったかもね」
「そうね。最後に取っておくべきだったわ」
これが一回目の観覧車だったらもう少し新鮮さが増していたと思う。まあ今頃後悔しても遅い。これはこれでと楽しむしかないよ。
「ツカサ……」
「うん。来なさい」
肩を抱いて、足も絡めて、お互いの唇を合わせる。
「っ……」
「んっ……」
ツカサの舌が私の口の中に入ってきた。その舌を絡めて、絡めて、また絡める。
途中で息継ぎのために口を離して、お互いに熱い吐息をぶつけあった後、また舌を絡め合う。
「好き……ツカサっ……」
「あたしも……好きっ……セナっ」
体が熱い。もうツカサのこと以外、何も考えられないよ。こんなのずるい。舌を好きにされていると、私の体も心も、全部ツカサの物だって実感させられてるみたいで……いや。もう私の全部はもうとっくに……
「っ……私は、ツカサの物なんだよ」
私を抱くツカサの腕の強さが増した。とろんとしてるであろう私の目を見て、ツカサの目の熱さもさらに増した。
「あたしだって、セナの物だよ。っ……」
また唇が重なる。今度は舌を絡めるだけじゃなくて、吸いついてきた。私の唾液がツカサに飲まれちゃってる。
いいよ……もっと飲んで……?
私も、ツカサの唾液飲むから……
「かわいい……」
「セナも、んっ……かわいいよ」
ツカサの唾液が私の喉を通っていく。ツカサが、私の中に入ってくる。
同時に私のも、ツカサの中に入っていく。
外から花火の音が聞こえてきたけど、貪るような激しいキスの音とツカサの喉を鳴らす声で、花火を見る余裕も音を聞く余裕も、まったく残されていない。
「ぷぁ……っ……んっ……」
「んっ……っ……っ……」
大好きっ……大好きっ。キスの音が私の脳に響いてくる。ツカサの体が熱い。口の端から私とツカサの唾液が混ざった液体が流れ始めたけど、そんなの気にしないっ。
出してっもっと出してっ! と言わんばかりにツカサは舌で私の舌をつついて、絡めて、さすって、叩いてくる。口も大きく開いて私の口を何度もついばんでくる。
ぞくぞくっと身体が震えてきた。好き。大好き……!!
いいよ。好きなだけあげる……全部、全部あげるよ。あなたの彼女の全部、あげるよ。
だから、私にもちょうだい? 私だってツカサの全部。欲しいんだからね?
「っ……」
「……んっ」
ふっと目を開けると、夢中で私にキスするツカサの顔が見えた。その顔を見ただけで、私の中にかろうじて残っていた理性は、消えてなくなった。ツカサを強く抱きしめる。大好き。大好き……!
ツカサの唾液で、私の中に消えないツカサからの愛が刻まれていくのを感じつつ、私の理性は消えていった。
大好きだよ……ツカサ……
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