第4話

「あー……リラックスできるねー……」

「それ温泉に浸かってる時のセリフよ。今出るセリフじゃないっての」


高い所から遊園地を一望できる場所に、私たちはいた。


「あんでしょっぱなから観覧車なのよ?」

「だって一番目についたんだからしょーがないでしょー? ほらほらっすごい景色だよ?」

「まあそれはそうね。大きな遊園地よね……」


私たちは観覧車に乗っていた。いや別に乗りたいものがなかったとかそういう訳じゃないんだよ。乗りたいものはたくさんあるよ、コーヒーカップとかジェットコースターとか。あと怖がるツカサを見るためのお化け屋敷。

かわいい叫び声をあげて私にしがみつくツカサはかわいすぎるし、彼女として守ってあげたくなるんだ。だからお化け屋敷は最低でも三周はしたい。

これから怖いお化け屋敷に連れていかれることも知らないツカサは……いや多分バレてるか。私をエスコートする振りして露骨にお化け屋敷に行くルートを避けてるし。

まあそれでも連れていくがな!


「ねぇ……あたしの太ももをさするのやめなさいよ」

「嫌?」

「嫌じゃないけど……こんなところでしなくても良いでしょ?」

「えへへっ」


顔を赤くしながらツカサに睨まれている。これをすると確実にスイッチが入るからこの子はかわいいんだよね。でも本当にスイッチが入り切ると良くないからここまでしてやろう。ふふふっ彼女に全て支配される気分はどうだい?


「っ……ほらっ景色見なさいよっ……せっかく観覧車に乗ってるんだから」

「はいはい」

「私の気も知らないでこのバカ……」


熱っぽい吐息を出しているツカサに怒られた。

言われた通りに外の景色を見る。当然だけどこの高い所からだと何もかもが小さく見えちゃう。ふっ……私も大きくなったもんだぜ……!


「ねぇ。ツカサは次なにをんんっ……!?」

「バカ……あんたのっ……せいだから……」


ツカサに肩を掴まれて唇を奪われた。不意打ちのキスに私はされるがままだ。舌を入れてこない辺り本気でスイッチが入っている訳ではないけど、流石にいじわるしすぎたかな。


「ごめっ……ちょっと……やりすぎた……?」

「あんたは……自分の……彼女のこと……もっと、考えなさいっ」


ツカサは熱い吐息を私に当てながらキスしてくる。私はお詫びとしてツカサに身を預けるように黙ってキスを受け入れ続けた。


「セナ……セナっ……!」

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