第33話 訓練③

えんじは腹を押さえて倒れる。


「大丈夫か?立てるか?」

すかさず、しあんが駆け寄ってくる。


「痛いよ、いきなり何?体が暑いし…」


「朱、成功だ。お前もスチーム出てるぞ」

「イテテテ。でもひどいからね、花兄ちゃん」


「おじさんも殴ってみる?」

「いや、私は大丈夫。いま殴られても怒りと共鳴はしなそうだから」

「じゃあ、その共鳴しそうなときは言ってね?」

「あぁ、そうするよ」


円山えんやま剛士たかしがが再度、口を開く。


「多分だが、スチームを出してる間に朱君にある程度の衝撃ストレスを与えると朱君のスチームも共鳴して使えるようになるんじゃないかなと」


「つまり、毎回殴らないと、発動しないってこと?」

「そこは、なんともわからないが、今はそれしかないのかなと」

「それは朱が可哀そうよ」

「今は君たちの力だけが頼りなんだ、痛みは我慢してくれ」


朱と花からは、白い湯気がたちこめている。


「よし、君たち今日はここまでにするか?」

「もうちょい、粘ってみませんか?何分耐えれるのか知りたいし」

「また動けなくなるぞ?」

「それでも、試したいんです」

「よし、じゃあ30分だ、そのまま集中するんだ」


2人は返事をした。。


「わかりました」


「どうだ?」

「あまり変化はありませんが、このまま今日はやめます。深呼吸しますね。」

「ヤバイ。とめれないよ花兄ちゃん」

「落ち着いて深呼吸だ」

「スーハー・スーハー」

「ダメだ…」

「えい、仕方がない。限界までスチームが出るか見るしかない」

「僕、このまま死なないよね?」

「それは大丈夫だと思う、と思う」

「えぇーーーーーーーーー」



2時間後


朱はスチームの状態が途切れるとともに倒れた。



この日は朱は目覚めることはなかった。


――――――――






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