第32話 訓練②

「怒りだって、そんな事、言われても難しいよ。僕できるかな…」


しあんえんじに伝える。

「お前だって、もえぎの事で怒りはあるだろ?それを出せばいいんだよ」

「それは僕だって怒りはあるけど、それよりも悲しみのが強んだ」

「その悲しみの怒りに変えれないのか?」

「切ない気持ちが勝っちゃうよ…」

「あの時、朱もスチームが出ていたんだから、できるはず」


何度も朱は心臓に手をあて、眉間にしわをよせるが

スチームが出る気配はなかった。


「ダメだ、怒りという感情が湧いてこないよー」

「朱はお父さん・母さんの事忘れていないか?」

「忘れるわけないないじゃん!でも、やっぱ悲しい気持ちが勝っちゃうよ」


苦戦する朱だったが、また農園の管理人・円山えんやま剛士たかしが会話に交じる。


「朱君が、力がでた時は花君は一緒だったんだよね?」

「はい、僕が化け物を倒しましたが、この時に朱もスチームが出てました」

「なるほど、もう一回花くんスチーム出せる?」

「やってみますね」


再度、化け物に刺された蒼思い出す。

みるみる花の体は湯気に包まれた。


「よし、これで朱君と握手してみてくれないかな?」


朱と花は近寄ると握手をした。

「これで朱君は、どうかな?」

「んー、いまいち花兄ちゃんから暖かさを感じるけど僕に変化はなさそうだよ」


円山は、しばらく考えると

「おかしいな、昔読んだ漫画ではこれでお互い使えるはずなんだが…」


朱に花はポカーンとして、円山を見つめる。


「そうだ、これならどうだろうか」


円山は花を呼び寄せて、朱の離れた場所でなにかを伝えた。


「えぇ?!そんな事できませんよ!」

「力が必要だろ、これしかない」



花は朱に近寄ると

「すまん、朱!」


ドンっ


朱のみぞうちに思いっきり右手をめり込ませた。



――――――――




やる気チャージのため、是非とも星★♡フォローお願いします!





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る