第14話 弓と拳銃
蒼side
車の訓練から一晩あけて、翌日の早朝。
今日の担当はチヒロと言うことで、以前もらったグレーのお洋服を選んできた。軽くて丈の長い七分袖のシャツと、サブリナパンツ。
動きやすくてとっても楽ちん!
薄めのジャケットを羽織って、かっちりカジュアルで連れてこられたのは、組織のビルの地下四階。
チヒロがニコニコしていて、ずっと鼻歌を口ずさんでいる。
グレーの服だと機嫌がいいみたい。
それにしても、ここのビルは一体地下何階まであるんだろう。
だだっ広い空間が左右に分かれて弓と銃が撃てる感じの場所だ。
板の間の先に砂と土で盛り上がった壁。四角い板に丸が三重に重なって書かれた的が掲げられてる。おそらく弓道場のようなものだと思われる一角。
壁際に沢山弓がかけられて、板の間に矢が入っている筒状の入れ物が置いてあった。
真横に設置されているのは間仕切りで細かく区切られた、実銃の射撃場。
昨晩インターネットで結構調べてみたけど、ここは完全に違法だなぁ。
実弾を発射できる施設は警察学校と自衛隊しか日本には存在しない。他はクレー射撃の射撃場しかなかったし。
イヤホンやゴーグルが壁にかけてある。弓と同じように的が置いてあるけれど、こちらは人型。
独特の匂いが室内に漂う。
鉄のようなツンとした匂いと、弓道場の土の匂いが混じってる。不思議な空間だ。
「蒼、ちゃんと目は覚めてるか?」
「はい!大丈夫です。朝は強いですから。それにしても、なぜ弓があるんですか?銃と関連があるのかな」
「……」
「ち、チヒロ?」
今日はグレーのスーツを纏ってるチヒロが目を細めて私を見つめてくる。チヒロがジト目になるとは。
「昨日、昴にはタメ語使ってたよな?」
「あー。アレですか。成り行きでそうなりまして。」
「昨日の話は聞いたが、どこでどうやってそうなった?」
「い、いや単純に昨日の帰りに運転でエキサイトしましてですね」
「運転でエキサイト」
「はい。途中でヤンキーさんの車に煽り散らされまして」
「ヤンキーに煽られた」
「そうです。あ、なるほどこれは練習するチャンスだなと。
先に行かせてから1cm間隔で逆に煽り続けました。本来は違法ですからダメですよ?」
「……」
「一時間ほどして高速の出口に逃げられてしまいましたが、急ブレーキを踏まれても問題はなかったですね。
自分の車の挙動がわかってくると相手の車の動きもわかりました。土間さんは素晴らしい教官です。叫び倒していた昴さんと、いつの間にかタメ語になっていましたねぇ」
チヒロが眉間を揉みながらため息をつく。あれっ、ダメだったかな?
「はぁ。よく分かった。昨日の昴の謎のテンションはそれか。車の運転は本当にマスターしたんだな……銃を持ったことは?」
「…ありません。」
急な話題転換。
チヒロにしては珍しいかも。
運転はお任せくださいと言えるようにはなったけど、流石に銃は分からない。
「それなら最初は弓にしよう。集中の仕方や的を狙うのは同じ要領だ。俺が得意だからここに用意してあるんだ」
道場の板の間に靴を脱いで上がる。靴下を脱いで、裸足になった。靴下だとツルツル滑るし危ないみたい。
正座で座るチヒロに倣って向かい合わせで正座になる。
チヒロの姿勢がとても素晴らしい。
お腹に力が入って、背筋がピンと伸びて。すごく綺麗。
「うん、姿勢はいい。上着は脱いだ方がいいな」
彼がバサリとジャケットを脱ぐと、革のホルスターと拳銃が下げられている。両肩に回って、後ろでクロスになっている形。
脇に銃を下げるからジャケットのボタンをいつも閉めていなかったのかと今更気づいた。
「すまんが持っていてくれ。重心がブレる」
「は、はい」
黒光りする、ずっしりとした重さの銃を手渡される。
「M1911」
「なんだ、知ってるのか?コルトガバメント呼びの方が日本だとメジャーだけど…プロっぽいな?」
「あはは…」
違う。私、拳銃なんて持ったことも見たこともない。…どうして?口から勝手に出てきた。
「地下にあるから湿気がひどいな。弓が曲がりそうだ。蒼?どうした?」
「いえ。拳銃が重たいなって」
「すまんな。ちゃんとロックしてあるから大丈夫だよ」
チヒロがそう言いながらワイシャツの袖を捲って、太い腕が顕になる。
血管がすごい。ムキムキしてる。
ネクタイを外して、丁寧に畳んでお尻のポケットにしまい、襟元のボタンが外される。ホルスターが襷掛けしてるみたいに見えた。
モヤモヤした気持ちを追いやって、チヒロに集中する。これは、大変いいです。見逃すべきではないと判断した。
「ここでは実践用にしか教えないが、一応少しだけ弓道の型を倣う。怪我しない様にな。
まず、足を肩幅に開き、両足に重心をしっかり据える。臍の下に力を入れて、体の軸を安定させて、胸を開く。
姿勢が安定したら膝の裏にも力を込める。胸を張ると後ろに倒れやすいから、膝裏にはしっかり力を入れてくれ。」
「はい」
すう、とチヒロが足を開き、ゆっくりと体に力を込める。
さっき言った通りの場所に軸を置いて、他の部分は泰然として力が入っていない。肩はとてもリラックスしてる。自然体って事かな。
「あとは見ててくれ」
「はい」
チヒロの目線が下に落ち、弓を左手に持って右手に矢を持つ。
膝に一旦置かれた弓に矢を重ねて、額まで持ち上げ、ゆっくりとしたその動作を目が追う。
冷たい瞳。キリリとして、空気が凍りつきそう。
きゃーーー!!かっこいいーーーー!!!と私は叫びそうになるのを我慢した。
ギリギリ、とツルが引き絞られ、一瞬の間。
ふっ、と僅かに吐息が落ちて、矢が放たれた。吸い込まれるように的のど真ん中に矢が刺さり、ターン!と大きな音が広がる。
「こんな感じ。的の一番外側が胴。さらに内側が頭、中心が心臓だ。
胴が36センチ、頭が24センチ、心臓が7.2センチ。的に当たるのが目標かな。もう一回見るか?」
「是非にお願いいたします。」
「なんか、目がキラキラしてるぞ。面白いか?」
いや、チヒロがかっこいいんですっ!!!
ワイシャツの中の筋肉が動くのが男らしくて、襟元が崩されてるからもう、もうっ!!!
「なんで黙ってるんだよ。なんか言え」
「あの、あのその。かっこいいなって…思って…」
「…そうか。それは良いことを聞いた。しばらく見本やるから見ててくれ」
「わっ!!ありがとうございます!」
ほんのり頬を染めて、チヒロが矢をつがえる。うう、かっこいい!!!
集中力が高まっていくのがわかる。視線が動くたびに瞳の色が冷たくなっていく。何度も放たれる矢が真ん中の的に集中して刺さる。
すごい!すごい!!
思わず胸の前で手を組んで、前のめりで見つめてしまう。
「ふぅ。次でラスト」
「はいっ!」
下に目線を落としたあと、ふと視線がぶつかる。冷たい瞳が緩んで、とろけるような微笑みが浮かび、すぐに元の引き締まった鋭い目に変わる。
は、反則では!?いまのは、今のはダメでしよ!?
自分の顔が熱を持ったのがわかる。こんなのカッコ良すぎる!!!
ターン!と命中音のあと、ふーっと深いため息が落ちた。
「こんなもんかな。蒼、次やって…どうした?」
「なんでもありませんっ!ちょっと待ってください!!」
「大丈夫か?」
「ひゃいっ!」
私は床に蹲ってジタバタしている。
うう!!アレはすごい!胸がドキドキしてしまって止まらない。どうしたら良いの!!
「はぁ、はぁ。よ、よし。やります。」
「無理しなくていいぞ…」
ようやく顔の熱がおさまって、心配そうな顔をしてるチヒロに近づく。
目を、目を見なければいいんんだ。そうしよう。
「は、はい、お預かりしていた物です」
「……」
銃口を上に上げて、グリップを手首につけ渡そうとすると、チヒロが一瞬躊躇い、その後受け取った。
「ありがとう。よし、ここに立って少し足を開いて。さっき言った通りに力を入れてみてくれ」
背後にいるチヒロの視線が足元から上がってくるのを感じる。背後に抱えられて、弓を渡された。
思っていたより大きいし重たい。
思わず力を入れてしまうけど、弓が真っ直ぐにならない。
「力を抜いて。柔らかく持つんだ。重さをそのまま受け止めるように。そう。一度持ち上げて、下ろす反動の流れでツルを引く。」
すっとチヒロの手が重なってくる。
チヒロの匂い。これ、グレープフルーツかな。柑橘系でも苦味と甘みがある匂い。でも、やっぱり甘い匂いが奥底にある。とろけるような甘さが広がっていく。
この匂い、好きだな。ドキドキしてきちゃった…。はっ!平常心!平常心!!!
「雑念があるだろ。集中しろ」
「すいません!!」
はい!煩悩がありましてですね!
深呼吸して、余計な考えを追い払う。頭の中を真っ白にして、なにも考えない。
「お…急に良くなったな。そのままツルを持って、両手を上にあげて…いいぞ」
上に挙げた反動の意味がわからなかったけど、力の流れが重力と合わさって自然に伝わる。
あまり力を入れていないようでいて、筋肉にはしっかり力が入った。
「うん、これができるなら矢を構えてみよう。的を狙うんじゃなく、位置を合わせる。
位置が合わさったら、心が整うまで打つな。間をおいて、集中できればあとは右手が勝手に離れるから。」
チヒロが離れて、体全体に視線を感じる。
お腹に力を入れて、矢の行き先を的に合わせる。
息を吐きながら、ツルを引き絞り、少しの間を置く。吐いた息を止めて、右手が離れる。
パス、と微妙な音のあと的の端っこに矢が刺さった。
「おっ!はじめてで的に当たるとは、いいセンスしてるぞ」
「ど真ん中じゃないですねぇ」
「最初から心臓に当たってたまるか。何度かやってみてくれ」
「はい!」
何度か矢をつがえて、放つ。
ダメだ、全然当たらない。
ムームーと、チヒロのポケットから音がする。
「すまん、待っててくれるか」
「はーい」
「どうした?あぁ、それは組織側の…」
チヒロが地下室のドアから階段に出て、ドアを閉める。
うーん。よし、自主練しよう!
矢をつがえ、放つ。繰り返し、繰り返し。
あ、胴に当たった。ということは少し上に向けて矢を放つんだ。重力があるから、矢が下に落ちるみたい。
筒に入った矢がなくなり、もう一つの筒に入ってる矢を引き寄せる。
矢が全部なくなった。靴を持ってきて、的に刺さった矢を引き抜く。
刺さり方が真っ直ぐなのと、斜めなのとある。
真っ直ぐの方が深く刺さってる。
そうか、ヤジリの形がとんがってるから深く貫くためには本当にまっすぐ打たないとダメなんだ。回収した矢を筒に戻して、もう一度。
━━━━━━
「蒼!やめろ!!!!」
はっとして、間近にあるチヒロの顔にびっくりする。
「はぇ?あれ?お帰りなさい」
「どれだけやったんだ!手を離せ!」
きつめに言われて、自分の手を見る。
あれ、血が出てる。
弓を握った手が動かない。チヒロが冷や汗を流しながら、一本ずつ指を剥がして、弓が転がった。
「弓が・・・」
「そんなのいいから!手を見せてくれ」
チヒロがハンカチを取り出して、指先をまとめてぎゅっと締め付けられる。
肩に乗った大きな手が重くなって、ペタンと私のお尻が床に落ちた。
「ずっと…やってたのか?」
「えと、多分そうです。コツが掴めたので、もう少しやれば全部真ん中に行きそうで」
「電話が長引いて一時間近く離れていたんだ。こんなに血が流れてるのに気づかなかったのか?痛かったろ…」
「ありゃ、結構スプラッタですね?」
床に大量の血が落ちてる。
改めて自分の手を見ると、ハンカチが真っ赤に染まっていた。
ジンジンしに熱を急に感じて、ズキズキ痛みが広がってくる。
「俺のせいだ。ごめん。蒼が集中しやすい子だって事、甘く見てた。」
「え?いえ、ぼーっとしてたのは私ですし。大丈夫ですよ。謝らないでくだ…わわわ!」
ぎゅう、と体が抱きしめられる。
少し高い体温、ドキドキしてる早めの鼓動が伝わってくる。
「ごめん。目を離すべきじゃなかった。怪我させてごめんな」
「は、ええと、あの」
そんなに言われてしまうと、なんと言えばいいのかわからない。
私が勝手に夢中になっただけなのに、チヒロは自分のせいだと思ってこんなふうに苦しそうにして…。
「チヒロ!大丈夫!指先の怪我なんて慣れてますよっ!こんなの、屁でもないやら!!」
「なんだそりゃ…」
チヒロのがっしりした体が離れる。
眉を下げて、微妙な顔で視線が合わさった。
「知りませんか?赤い飛行機の出てくる映画のセリフです」
「あー、あれか。そこ覚えるとこなのか?」
「他にもありますけど」
「やめろ。色々とそれはまずい。もう今日は中止しよう。その手じゃ銃は無理だ」
そ、そうなりますよねぇ。
ズキズキしてる指先は、ようやく血が止まった。
そーっとハンカチを外してみると、指に張り付いたコットン生地がぺりぺり剥がれていく。チヒロのハンカチを汚しちゃった…。
「おお、裂傷ですね」
「詳しいな。そういうのも仕事で勉強するのか?」
「しますよー。ネイリストは骨の名前とか神経とかも習いますから。傷と病気の見分けなども知っております」
「そっか。消毒して今日は休もう。ほら」
差し伸べられた手のひらは、豆でいっぱい。切り傷や、擦り傷や、たくさんの傷が夥しい痕を残してる。
私、こんなふうに大切にしてもらう権利があるんだろうか。
こんなに苦労してきた人の時間を奪って。何してるの。
「ハンカチが汚れちゃいました」
「そんなのいいよ。行こう、早くちゃんと消毒したい」
「チヒロ、せめて銃の動かし方だけでも見せてほしいです」
「怪我してるんだぞ」
「見るだけでいいですから」
「……」
「お願いします」
縋るようにしてチヒロの手を両手で握る。
見た目の涼しさとは裏腹のゴツゴツした手のひら。
なんでもないような顔をして、きっとたくさん練習してきた人なんだ。三人ともみんながそうだった。
一人一人が努力の結晶をこうして手に持ち続けてる。ずっとコツコツ練習してるからマメがなくならない。
私みたいに練習して怪我したこともあるはず。これを習わせるなら、そんなに優しくしちゃいけないのに。チヒロは本当に、優しい人だ。
「見るだけだ…撃たせないからな」
「はいっ!」
眉を顰めたまま、チヒロに引っ張られて銃の射撃場に立ち並ぶ。
緑色のリノリウムの床、ブース毎に線が引かれて、正面に人の形の的が置いてある。
床にしゃがんだチヒロがぽちぽちと何かのボタンを押すと、プシュッとエアの排出音がして、ハンドガンがたくさん入った棚が地面からせり上がってくる。そんな所に隠してるんだ…。
「ベレッタでいいか」
小さめの銃、マガジンと弾を取り出す。ベレッタM9だ。
「最近はマガジンに詰めるのも楽になったよ。マガジンローダーであっという間だ」
スプリングがついた黒いプラスチックのローダーをマガジンにつけて、カシャンカシャンと弾を詰めて行く。
「アプルラ…」
「本当に…よく知ってくな。イスラエルのアプルラって所のローダーだ」
なんだか、頭がぐるぐるしてくる。私、さっきからおかしい。こんなもの触ったことも見たこともない筈なのに、どうして?…どうして?
「イヤーマフは嫌じゃないか?」
「はい…」
受け取ろうとすると、避けられてそのまま頭の上からかぽっと嵌められる。
そう言えば私、手が使えないんだった。思わず自分の両手を見ると、苦笑いされる。
チヒロがさらにメガネをかけてくる。
的の破片が飛ぶかもしれないもんね。
彼はイヤホンだけして、ブースに立つ。私は斜め右後ろからそれを見る事にした。
スライドを引き、マガジンをセットして、スライドストップを解除。
セミオートだからシングルアクションで撃つみたい。
「俺はダブルアクションで使うことはほとんどなくてな。弾を消費するタイプだ」
「速射の方が大変なのでは?」
「筋肉があるからなぁ。問題ない」
す、と構えて両手で握る。
セーフティ解除を押して、息が止まる。
タンタンタン!と三発連続で撃たれた球は全て心臓に命中。
連続で撃つには、銃の構造上腕が上に上がるのを抑えて、毎回エイムを合わせなければならないのに、それがものすごく早い。
速射で全部同じところは怖いです。
イヤホンをお互い外した。
「頭じゃないんですね」
あれ?なんでこんなこと言ってるの??
「ヘッドショットは当たっても、命を落とすとは限らないからな。心臓はどこを痛めても死に至る可能性が高い。小さい頭より胸を狙うんだよ。戦争でもそうだ。」
「なるほど、なる…ほど」
頭の中の渦が映写機の音を再生する。
カタカタ、パタパタ、だんだん早くなる音が聞こえる。
「蒼?」
チヒロの声が、まるで水の中から聞こえてるみたいにくぐもってる。変だな…イヤホンは外したのに。
頭の中に響く音。首にかかってるイヤホンを触る。
こう言うイヤホン、したことある。
拳銃の構造も、撃ち方も知ってる。
撃った後の反動が伝わる感触も知ってる。跳ね上がる手を抑えるのが下手で、いつも怒られてた。
耳鳴りがする。頭が痛い。冷や汗が滝のように流れて、眩暈がして立っていられない。
「蒼!どうしたんだ?具合悪いか?」
「チヒロ、銃を手放すと怒られるよ」
「…怒られる?」
「先生が、いつもそう言っ…」
ガン、と殴られるような衝撃が頭の中で繰り返されて、私は暗闇に投げ出される。
ほら…怒られた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます