第九話 一息つこう

あれから一度家に戻り、タバコをとって胸ポケットにしまった。この世界にもあるんならそんなに大事に吸わなくっても大丈夫だからな、ばんばん吸おう。

ふと携帯を見ると通知があった。あきらからだ。


あきら ―この写真なんだ⁉お前これ、すげぇな!!異世界ってどこだよ!


あきらは結構ファンタジーとか好きなタイプで、家にもRPGゲームとかがたくさんある。俺より詳しいはずだ。なんて返信してやろうか。


信 ―これが異世界だぜ。動画とか電話は無理なんだけど、写真は撮れるみたいだ。この世界では魔法が使えるんだぞ。しかも俺は女神様から授かった最強の力を持っている!


あきら ―はぁ??


俺は一通り説明した。


あきら ―そんなぶっ飛んだ話があるか!羨ましい・・・もっと写真送ってくれよ。面白いから俺がお前のアカウント作ってSNSに投稿してやる。


信 ―多分あんな世の中だからバズらねぇよ(笑)


あきら ―わかってないね。お前が地球に帰って来た時にこそ役立つ。


信 ―よく分からんが好きにしてくれ。魔女の写真とか撮れればいいんだけど、撮ってる間に殺されそうだよな。


あきら ―確かに(笑)でも頑張って撮ってくれよな。お前最強なんだろ。


信 ―まだ修行も始まってないのに今出くわしたら殺されるよ。


そんなやり取りをしていると、誰かがドアをノックした。

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