特殊部隊

第八話 女神と再会

すぐ近くに教会はあって、こじんまりした外観だが中はとても広かった。


アイク「ここだよ、今日から信さんの家でもある。来たい時にいつでもきてよ。」


信「あぁ、いい場所だな、ありがとう。」


教会の中心に女神の像がたっていた。アイクは女神像の前で手を合わせて、お祈りをはじめた。


アイク「信さんも一緒に手を合わせてみて。もしかしたら女神の声が聞こえるかも。」


俺もアイクの隣で同じように手を合わせた。目を閉じて、女神を心の中で呼んでみる。すると声が聞こえた。


―信、異世界はどうですか。そこは綺麗な街でしょう。


信「はい、とても。女神様のおかげでアイクにも出会えましたし、楽しませていただいております。」


アイク「やっぱり、聞こえたんだね。」


メイサー ―お二人にお話があります。信には加護が付与されていますが、その力の使い方は体で覚えるしかありません。基本的なことはアイクに習ってください。アイクは特殊部隊に信を入隊させる前に、部隊長のソルターに信について話しを通しておいておくと良いでしょう。シュバルツの復活は公になっていませんので、世の混乱を防ぐ為にもソルタ―以外にはくれぐれも内密にお願いします。


アイク「分かりました。また来ます、ありがとうございました女神。」


アイク「信さん、まぁこんな感じだよ。今日は晩御飯御馳走してあげるよ。」


信「いいのか、いやぁでも君みたいな子供に出させるわけにはいかないよ、俺が出すさ。」


アイク「信さん、言ってなかったけど僕はこの教会の牧師で、この教会を建てたのも僕さ。」


この教会を建てた・・・?見るからに年季が入ったこの建物、その創立時から生きているってことか。


アイク「そうさ、牧師兼魔法使いアイ・ロナルド・クッドリー。この街の最年長でもある、今年で1200歳だよ。」


そういいながら彼は手のひらに綺麗に燃え上がる炎を出し、指先に移してタバコに火

をつけた。そのタバコを俺に渡してからニヤッと笑って、老人の姿を見せた。


アイク「ワシは1000年以上前にタバコは辞めたんじゃ。」


信「あ、、アイク、いや、アイクさん・・・?驚いたな。魔法なんて初めて見たし、少年だと思っていたら1200歳!この世界に来てから一番びっくりしたよ。しかもタバコ、この世界にもあるんだな!よかった!」


アイクは少年の姿に戻った。

タバコを吸って最高な気分になった俺は、この世界を救うヒーローになれることが誇らしくなった。


アイク「信さん、改めてこれからよろしくね。後、アイクのままでいいよ。街の人は僕がクッドリーって事は秘密にしてあるんだ。自分で言うのもなんだけど、僕はこの世界じゃ伝説級の英雄なんだ。平和に暮らすには姿を隠すのが一番なんだよ。」


そういうとアイクはちょっと照れくさそうに笑った。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る