第七話 少年

街の真ん中あたりに位置する場所に噴水があって、俺はそこに腰を掛けてりんごらしきフルーツを食べていた。


少年「あ、りんごだね、あそこで買ったんでしょ?あの店のりんごは格別だよ。お兄さん信って人だね?」


突然少年が喋りかけてきた。りんごって、地球と一緒なんだな。というかこの子はなぜ俺の名前を知っているんだろう。


信「あぁ、確かに美味いよ。君は誰だ?」


アイク「アイクだよ、よろしくね。実は女神に頼まれて様子を伺いに来たのさ。僕はこの世界の住人だけど、教会に住んでいて信さんの星のことも女神から聞いているよ。僕はこの街で唯一女神と交信できるんだ。でもほとんどの人が地球の存在を知っているし、女神の事も知っている。だから本当の事を言っても皆信じると思うよ。

ただ、悪魔シュバルツが復活することは誰も知らないんだ。その事は秘密ね。」


ほう、そうだったのか。この子は頼りになりそうだな。


信「色々教えてくれてありがとう。この街には昨日来たばかりなんだ、1年後に奴を倒すのなら、今は準備期間なわけだが、まずは何をしたらいいかわかるか?」


アイク「地球にはゲームが存在するんだよね、パーティーを組んでモンスターを討伐して素材を採取したり、お金を稼いだり。この世界には残念ながらギルドやパーティーとかは存在しないんだ。モンスターはいるよ。特別な許可とかは必要ないから、好きに狩りに行っていいよ。でも換金するとか、素材を売ったりとかはできないんだ。まぁ信さんはお金は必要ないよ、女神が僕経由で送ってくれるからね。」


信「んー、そうか、モンスターを討伐する意味はあんまりないのか?」


アイク「そうだね、モンスターは結構美味しい奴が多いから、食べるために自分で狩ってる人がほとんどだね、お金を出せば店で食べられるし、モンスターって別に強いものでもないから街が襲われたりすることもないよ。」


なんだか拍子抜けというか、ここまでファンタジーなのに、結構普通の田舎か?


信「魔法とか使えるんだろ?あんまり役に立たないのか?」


アイク「ここからの話が重要なんだ。信さん、特殊部隊に入ってくれよ。この世界はシュバルツが復活するまで平和だと思う?違うんだ、モンスターとかがいない変わりに、魔女が出るのさ。魔女には魔法でしか対応できない。最近は嵐の影響で魔女は街に来ていないけど、いつ襲いに来るか分からないからね。その為に特殊部隊があるんだけど、女神はそこに信さんを入らせろって。僕も女神も、シュバルツ復活には魔女が関わっていると踏んでいるんだ。」


だんだん話が見えてきた。魔女がいるって、どんな奴らなんだろう?


アイク「取り合えず、教会に案内するよ。家だと思ってくれたらいい。」


俺はあきらに着いていった。

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