異世界

第五話 綺麗な世界

目が覚めた。もしかしたら全部夢だったのかもと思ったが、どうやらこれは現実だ。

取り合えずスマホをチェックしてみた。あきらから返信がある。


あきら ―お前生きてるのか?突然消えちまって、よく分からな過ぎてさ、怖えよ。


あきらには俺の現状をちゃんと伝えておかないとな。なんだかんだ俺たちは高校の頃から、かれこれ15年くらいの付き合いだ。返信は後にして、取り合えず外に出てみた。扉を開けると、きれいな空に綺麗な草原が広がっていた。地球よりも鮮やかで、なんていうか一眼レフで撮った写真みたいな感じ。すごく感動してちょっと涙ぐんでしまった。


「綺麗だな・・・。」


地球ではないことがはっきりするのが、太陽の横に見たことない星があること。

とんでもなくでっかくて、薄いピンク色の星。


「すげぇな・・・。あ、これ写真取れるかな?」


俺はスマホを手に取り、カメラを起動した。動画の機能は使えないが、写真は普通に撮れるみたいだ。そうだ、この写真をあきらに送ってやろう。

こんな場所に着いたぞ、と送信。

後でSNSに投稿してみよう、絶対CGだと疑われるだろうけど。

地球が崩壊寸前じゃなかったら、これで大儲けできてただろうけど、隕石騒ぎで人々はそれどころじゃないし、SNSもあまり普及しなくなっていた。きっと自分たちの人生を精一杯生きようとしているのだろう。

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