第六怪 鎌鼬の夜②

「殺気ですって?」

 穏やかならないことが起こっているようだ。とにかく千里通眼で北を・・・、いや待て、それでモッケ爺の時に失敗したのだ。ここはむしろ、まず順風通耳!


 シュルシュルシュルシュル


 確かに何かがとんでもない速さで森の中を走り抜けて、こちらに向かってくるのが聞こえる。何かの生き物の足音にしては奇怪な音だ。まるで意志を持つ旋風のような。


 得体が知れない存在に、たまらず、千里通眼を向ける。ソイツは今や祭祀場周りの草地に突入していた。体の周りに渦を巻くように風が纏わりつき、比喩ではなく文字通り風に乗って駆けていたのだ。


「あれは・・・イタチ?」

「見えるのかの? どんな奴じゃ?」

「えっと風に乗って走っていて・・・」


 説明している間は無かった。奴は既に祭祀場にまで到達し、中央の石台の上に跳び乗っていた。姿はイタチ。しかし、四肢の先に短くも鋭い鎌状の刃が光り、夜天にそびえてゆらりと揺れる尾は、長大な鎌そのものである。

 これはいわゆる鎌鼬ではないか?


「うむぅ。参った。デスサイズとは・・・」

 小声でモッケ爺は唸る。


 鎌鼬―――モッケ爺の言うところのデスサイズ―――は、周囲を一通り見渡した後、モッケ爺が食べ残していたフレイムラットの肉片と骨を見つけて、舌なめずりする。あいつもフレイムラットの肉が目当てだったのか? ならさっさと喰ってどこかへ行って欲しい。


「キキー、キッキーキッ、キキ?」

 しかし、鎌鼬はフレイムラットの肉に目掛けてかぶりつくということもせず、石台の上に居座ったまま、鳴き声を出した。


「・・・いかんな」

「モッケ爺? もしかして、奴は何か喋っていたんですか?」

「うむ。『匂う。逃げ損ねて隠れているな?』と言っておった。お残しの肉片程度では満足してくれそうにはないのう」

 これは、あかんやつや。


「でも、モッケ爺なら飛んで逃げれば済む事でしょう? 相手は風に乗って駆けるとは言え、空を飛べるようには見えませんから」

 取り残される俺にとっては絶体絶命だが、モッケ爺にとっては悩むべき問題があるとは思えない。


「・・・そうじゃの」モッケ爺は浮かない声でそう返事する。

「これはおそらくわしの食事の匂いを嗅ぎつけられたせいであろうから、わしが後始末を付けねばならんじゃろうな。お若いの。心配しますな。わしが奴の注意を引き付けて責任をとる故、そなたはじっと隠れておるが良いぞ」

「モッケ爺!?」

 まさか、ここまで人の好い爺さんだったとは。まあ、でも作戦としては妥当だ。どのみち爺さんが飛んで逃げれば、鎌鼬は自分の標的がお空の上と知って、諦めるだろう。こっそりと飛び立つか、わざと目立つように飛び立つかという違いだけだ。


 だから、大丈夫・・・な、はずだ。


 カランッ

 と、わざと音を立てて、モッケ爺は壺の裏側から鏡台のある方へと歩き出す。


 だが、鎌鼬はおおよそどこにモッケ爺が隠れているのか知っていたらしい。特に慌てる風でもなく、反射的に飛び掛かるという風にも見えない。実に冷静。なんだか、嫌な感じだ。


 と、モッケ爺は羽を広げて羽ばたいた。

 そう思った瞬間、鎌鼬の前足が光り、なんと言うことか両前足についていた鎌がそれぞれ外れて、旋風を伴いモッケ爺の飛翔軌道を襲う。


 が、モッケ爺は飛んでいなかった。むしろ姿勢を低くし、その長い足を使って、陶器の牛の裏側へと駆け込む。それと同時にモッケ爺の頭の王冠が光り、5発の石塊の弾が王冠の飾り細工部分から発射された。


「チッ」という舌打ち音が鎌鼬から聞こえ、見れば飛行鎌はそれぞれヒュルヒュルと回転しながら鎌鼬の両前足に戻っていく。同時に長く大きな尾の鎌が自身に向かって殺到する5発の石弾をなんなく全て弾き、あるいは切り捨てる。


 一瞬の攻防だった。


 そして、この一瞬にモッケ爺が浮かない声で返事したのかを理解させられた。この鎌鼬は鳥を狩るのに空を飛ぶ必要など無いのだ。もし鳥がコイツを見て恐れ慌てて無思考に飛び立てば、容易に飛行軌道を予測され、飛来する鎌の餌食となるわけだ。飛んで逃げるには、まずあの鎌の射程外に「歩いて」出なければならない。足が異常に長い魔獣ストラスでなければ、今の一瞬で死んでいたはずだ。

 しかし、こいつの走る速さはまさに風の如く。地表の追い駆けっこで距離を稼ぐことは不可能。

 つまり鎌鼬にとって、獲物を射程圏内に捉えるということは、実質チェックメイトと同義であった。


 俺は目の前で繰り広げられた攻防に唖然としていた。

 同時にモッケ爺が全てを読んだ上で、囮役を買って出てくれたことに涙した。


「うっ、モッケ爺。簡単に飛んで逃げられないと知ってたのに・・・」


 モッケ爺にはじっと隠れていろと言われたが、果たしてそうすべきだろうか? 我が身可愛さにこの好々爺を見殺しにすれば、ただ生首のみに成り果てたこの身が、ついには本当にただの妖怪魔獣の類に落ちてしまうのではないだろうか?


 いや、しかしだ。ろくろっ首などに転生した身で、正義感や善性などに執着して何になろうか? 今目の前にある通り、まさに弱肉強食の世界なのだ。まずは自分の身を一番に考えるべきだろう。見ろ、あの鎌鼬を。あんなのに襲われたら一瞬でズタズタにされて絶命するしかない。


「キーキーキー」

 鎌鼬は陶器の牛の裏に隠れたモッケ爺を見ながら、大仰に悔しがって見せた。両手の鎌を見せつけるようにして。そして、そっと右の後ろ足を引くと、後ろ足に生えていた鎌が外れて石台の裏側へと回り込むように飛んでいく。

 危ない!


「下手な演技じゃのう」

 しかし、モッケ爺もさる者。静かに真横から襲ってきた刃は、突如せり上がった魔法の土壁に阻まれた。弾かれた鎌は再び鎌鼬の足へと戻っていく。だが、衝撃によりモッケ爺の土壁も砕け散っていた。

 良い勝負をしているようにも見える。これは俺が何かしら決断したり勇断したりすることもないかと一縷いちるの期待をつないだが。


 飛行鎌を自分の足に収めた鎌鼬はすっと立ち上がって、背を伸ばした。

「キキキー、キッキキ、キーキー、キッキッ、キー」

 鎌鼬の鳴き声と共に旋風が巻き起こり、両手両足の4つの鎌に風が収束していく。今までの奇襲目当ての静謐性の高い攻撃とは明らかに異質な前兆だ。


「ふむ、しかし所詮は遠距離攻撃の類であるならば・・・」

 モッケ爺も何やら呪文を唱えると、茨のようなものが体を全て覆うようにドームを作り、さらにその外側に土のドームが二重の防壁を形成する。さっき作ったにわか造りの壁より明らかに頑丈そうだ。


 ところが、モッケ爺が防壁の中にすっぽり隠れた途端、鎌鼬は突然両手をパチンッと合わせる。その途端、両の手足に集まっていた旋風が吸い込まれるかのように、尾の先にある長大な鎌へと巻き付いたかと思えば、鎌鼬は跳躍した。モッケ爺の防壁ドームへと。


 そして、至近距離からの天から打ち下ろすような一太刀で、尾の鎌をモッケ爺の防御ドームに突き刺した。


 耐えろー!


 俺の願いも虚しく、まるでバターのようにドームは切り裂かれる。

 そんな、嘘だろ。モッケ爺。俺が勇気を出さずにじっとしていたせいで・・・。


 そして、ドームの中からは真っ二つになったモッケ爺が・・・現れなかった。中は空だった。しかも、底に大穴が開いていた。


 それを視認した途端、鎌鼬は跳び上がってその場を離脱すると同時に、前足を穴に向かって振る。鎌が一本地中の穴に突入した。

 が、その余計な行動が致命的だったのか、離脱は失敗した。どうやら防壁の一陣目の茨は防壁ドームの強化という役割だけではなかったらしい。鎌鼬の体に、四肢に茨が絡みつき、棘を刺す。

「ギッー」

 鎌鼬の怒気を含んだ唸り声に俺は一転してモッケ爺の勝利を確信したのだが。


「ぐっ。不覚」

 少し離れた地面からモッケ爺がボコリと体を出した。しかし、その体には深々と鎌が刺さっていた。モッケ爺は器用に長い足を使って鎌を引き抜き、地面の中に突っ込んで埋める。体からは血がだらだらと流れていた。早く治療する必要がある。俺の慈悲の聖球を使えば助けになるはずだ。しかし、治療すれば必ず鎌鼬に自分の存在を認識されることになる・・・。


 いや、逡巡している暇はない。弱肉強食も知った事か。俺はただただ今この瞬間モッケ爺を助けたいのだ。


 いや、それも違うかもしれない。本当は人助けとかそんな立派な理由じゃない。戦わずに縮こまっている自分にだんだん腹が立ってきたのだ。あんな好々爺が必死に知恵を巡らせて生死を掛けた戦いをしているのに、俺はいったい何なのかと。


 理由はどうあれ、俺は覚悟を決めた。

 

「増長天、首長伸縮!」

 俺は壺の中で思いっきり2mに首を伸ばした。当然のごとく反動で壺の中から俺は外に飛び出す。そして、石台の上へと、丁度鎌鼬が先ほどまで陣取っていた位置へと頭から転がり込む。


「【慈悲の聖球】《ヒーリングボール》」

 転がりながら唱えて生み出した魔法の光球を、俺はヘッドバンティングでモッケ爺の頭上へと送る。

「何!?」

「キキッ!?」

モッケ爺も鎌鼬も驚いて眩い光を放つ光球を見上げる。夕方見た時はそうでもなかったが、夜の闇の中、その光量は暗がりに眼を慣らした両者の視覚を奪うには十分だったらしい。モッケ爺の治療のための魔法だったが、思わぬ副産物である。


 さあ、ここからは時間との勝負だ。俺が役に立てるとしたら奇襲を成功させる以外にない。鎌鼬がモッケ爺の張った茨の罠から抜け出さないうちに。

 よし! 頼むぞ、水精霊。

「【悲嘆の冥河】《アケローン》」

 呪文の詠唱と共に魔力をドバっと注ぎ込むと、俺の閉じた両眼の隙間から一滴の涙に続いて水があふれ出す。ダラダラと垂れる水は石台の上を浸し、端から滝のように流れ落つ。地面で飛沫をあげる涙の河は一直線に鎌鼬の方へと向かっていった。


 俺は魔法の涙をダバダバと流しながら、次の詠唱を急ぐ。

「【雷帝の弓矢】《トニトルアロー》」

 雷の弓が俺の頭上に現れ、矢が一本装填される。


「キッキー」

 鎌鼬とて何もしないわけでは無い。ようよう光に眼が慣れると、すぐさま手足の鎌を外して飛ばすと、己を拘束している茨を微塵に切り裂いた。尾の鎌の方は適当に振り回して、たまたま当たった茨をごっそりと切り飛ばしている。おそらく威力はあるがあまり器用な用途には向かないのだろう。


 そして、俺の方に向かって三本の鎌を浮かせて飛ばそうとするが、

「わしを忘れて貰っては困るのう」

 地面の穴から再び這い出てきた茨が、俺の方に意識を奪われ注意散漫になっていた鎌鼬をまたもや拘束する。しかも、その茨は次から次へと泉のように湧き出ていた。鎌鼬は既に全身茨に覆われ棘だらけだ。


「キッ」

 鎌鼬は判断を誤ったのだ。俺なんか放っておいて、まずは離脱することに全神経を集中させるべきだった。鎌鼬は手足の三本の鎌を全て使って茨をことごとく切り裂く方を優先する。この罠ゾーンから離脱し態勢さえ整えば、自ずと勝利が見えてくるという判断だろう。あとは、茨の増殖速度と、鎌による裁断速度の勝負である。

「むぅ」

 が、その勝負は鎌鼬に分があったらしい。モッケ爺の唸る声が漏れる。


「今度はこっちをお忘れなく」

 しかし、こっちは2対1だ。俺は雷矢を放つ。鎌鼬は仕方なく、飛行鎌の一本を俺の魔法の迎撃に当てた。空中で眩い雷の矢と旋風に乗る鎌が衝突する。俺の矢はしっかりと受け止められてしまった。鎌の方も纏った風を失い、一度コロリと落下したが、再び旋風が刃に集いだす。そして、再びシュルシュルと空中に戻った頃に、ようよう俺も新しい矢を弓につがえていた。


 そして再び同じことが繰り返される。3本の鎌を使って直ぐに拘束から抜けたい鎌鼬。そうはさせじと矢を放つ俺。2本の鎌に対して拘束と裁断の速度対決で疲弊していくモッケ爺。構図は硬直的な局面だが、確実にこちらが追い込まれている。

「キキキキ」

 鎌鼬が笑った。


 しかし、この時、ついに地面を伝って鎌鼬の拘束されている場所まで、俺の涙の河が流れ込んでいた。水が鎌鼬に触れた途端、やつは突然困惑の叫びをあげて怯む。

「チェックメイトだ」

 鎌鼬が今どんな幽霊と相対しているか知らないが、今はどうでも良い。


 俺は雷の矢を、鎌鼬ではなく、涙の川に撃ち込む。迎撃用の鎌は予想の射線を外されて、空回りした。矢が涙の河に飛び込むと同時に、電撃が塩水の中を走り鎌鼬の足に到達する。

「ギギギィー」

 悶絶する鳴き声と共に全ての鎌が制御を失い、あらぬ方へとてんでバラバラに飛んでく。が、鎌鼬を拘束していた茨もハラハラと萎れて散っていった。

「済まぬ。魔力が足りん」

 モッケ爺も限界だったらしい。


 俺は慌てて、石台の上からなんとか飛び出して、麻痺状態の鎌鼬へと飛び掛かって巻き付いた。・・・茨の棘と残存電気がちょっと痛い。

「降魔吸力!」

 これで、鎌鼬は魔法が使えない。そして魔力を全て吸い出してしまえばこちらの完全勝利である。


「キギギィ」

 だが、鎌鼬には、魔法に頼らない天然の武器がまだ残っていた。

「ぐっ・・・痛ええ」

 鎌鼬は尾の鎌を俺の長々と伸びた首に突き刺す。俺の本体部分はあくまで頭だからそこさえ無事なら大丈夫だろうという公算だったが、痛いものは痛いし、たぶんそれなりにダメージを受けているように思う。

「ギッ、ギッ、ギッ」

 鎌鼬は滅茶苦茶に尾の鎌を振り回し、俺の首を切り刻もうとする。

 そうはさせん。


「【慈悲の聖球】《ヒーリングボール》」

 俺は頭上に慈悲の聖球を打ち上げた。鎌に切り刻まれるたびに、癒しの魔法が俺の首の傷と体力を回復させる。


 だめだ、一個では足らない。

「【慈悲の聖球】《ヒーリングボール》 【慈悲の聖球】《ヒーリングボール》 【慈悲の聖球】《ヒーリングボール》 【慈悲の聖球】《ヒーリングボール》!!」

 俺は2個、3個、4個と呪文を唱え続けて光球を打ち上げ続ける。魔力の心配はない。全て鎌鼬から絞り取った魔力から供給しているのだから。

 もっとも、同時に照らされている鎌鼬の体力も回復させてしまっているようで、鎌を振り回す力はますますもって死に物狂いになっていく。後は俺と鎌鼬の根競べだった。


「ギッ・・・キッ・・・ィ・・・」

 長期戦も覚悟したが、決着が着くのに思ったほど長くはかからなかった。おそらく、鎌鼬は俺に巻き付かれた時点で相当に魔力を消耗していたのだろう。魔力の枯渇した鎌鼬はぐったりとして、手足はだらりと垂れさがる。

 俺は巻き付けていた首を解いた。


「ほっ、まだ油断してはいかんぞ。早うトドメを刺すんじゃ」

 気づけば、モッケ爺が傍まで来ていた。見れば、出血も収まっていて、一先ず無事なようで安心である。

「あれ? コイツはまだ死んでないんですか? フレイムラットの時はこれだけで絶命したのですが・・・」

「フレイムラットは代謝の関係で魔力供給が断たれると、心臓が止まるからじゃよ。そやつは息をしておる。つまり気絶しておるだけじゃ」

 フレイムラットの代謝と魔力の関係には深く興味をそそられたが、今はそれどころではない。


「さあ、早う」

 モッケ爺に急かされ、俺は雷帝の弓矢の魔法を準備しながら鎌鼬を見た。白銀の毛並みの胸部が浅く苦しそうに収縮を繰り返しているところを見ると、確かにまだ生きているようだ。


「・・・殺らないとダメですかね?」

「なんじゃと!?」

「いや、もう気絶しているし、適当に森にでも放り込んでおけば、良いかなと。起きたところで、わざわざ俺たちを狙うよりはもっと仕留めやすい獲物を探す方が合理的でしょうから、また狙われることもないかと」


 モッケ爺は呆れた眼で俺を見る。

「デスサイズは執念深い魔獣と聞く。釈放してやっても恩など感じず、わしらをつけ狙う可能性がある。そしてわしらは既に手の内を晒しすぎておる」

「まあ、確かに・・・」

 今回勝てたのは、俺の奇襲が偶然上手くいったからだ。次やったら間違いなく殺されるのは俺たちの方である。


「キ、キ」

 俺たちが処遇について議論している間に、鎌鼬は目を覚ましたらしい。魔力枯渇で気絶したものの、慈悲の聖球で体力は満タンだったから、目覚めるのも早かったのだろう。


「コイツめ! もう起きたか。エイッ」

 起き上がろうとした鎌鼬の頭をモッケ爺は足で器用にぶつ。俺も慌てて雷矢を撃ち込むと、鎌鼬はキャンッと悲鳴を上げ、雷撃で痺れた体を震わせる。

「キー、キー、キッキ」

「はっ、何を往生際の悪いことを。貴様はこれから嬲り殺しの刑じゃ」

 何かを訴える鎌鼬に対して、モッケ爺は冷笑すると、麻痺で動けない鎌鼬の頭を

何度もその鋭利な足先の爪でブチ回す。


「ちょっと、モッケ爺。奴は何といったんですか?」

「別に。下らん命乞いじゃよ」

「キー、キー、キッキー、キッキー」

 鎌鼬はモッケ爺にぶたれる度に、哀れげな悲鳴を上げる。

「・・・・・・」

 スキル枠を圧迫するから控えていたのだが、モッケ爺が間に入ってのやり取りではもはや限界があるらしい。

 やむを得ん。


「多聞天、言語獲得」

 俺は鎌鼬の言葉を習得した。

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