第31話夫の入るブ油断の世話
絶句した!
それは、徳永町子の遺影だったのだ!
町子が死亡情報のタ行を渡し、「これらのお客は懇ろにケアしないかんきね?」
と、何度も何度も藍に言い聞かせ、スィングの結果を事細かく聞き出し、「徳永秀樹様にアポ取れました!」
と、報告を聴いた町子は大層喜んでニコヤカに見送ってくれたのだ。
今頃首を長くして、ニコヤカに出迎えてくれる筈であろう町子は店先に後ろ手を組みながら待っておらず、さぞかし店の奥でお茶を入れて待っているかと思えば、店内は通電しておらず、水道は止まっていて、暗い店内の仏壇は埃が溜まり、二度と来客
などない施錠が、阻止をしていた。
「町子さん亡くなっていたんだわ。」
藍の涙が後から後から溢れ出ていた。
「だから、ご主人に最高のハートフルケアをして差し上げたくて私を呼んだのだわ・・・。」
涙ながらに仏間の壁を見上げ、周り縁を見回していた。
刹那!藍の動きが止まり藍は嗚咽を始めた。
ボン!黒檀の呪縛が解けた時、藍は、仏間の真ん中に正座をして座っていた。
黒檀の仏壇は仏間の西を背にする格好で置かれてあった。
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