第28話秀樹の世話

愛していたから秀樹の妻になり営々と秀樹の世話をした。

ほどまでに、安定した愛を感じた事は無いくらい藍の気持ちは安定していた。


 平凡な暮らしがこんなに幸せだったとは・・・。


 角材を振り回し、ナナハンに跨って虚勢を張って生きていた時とは、ささくれ立った心の襞を傷めるのも日常茶飯事だと思っていた自分は、なんて不幸な、無駄な生き方をしてきたんだろうと反省までも出来ていた。


 徳永秀樹に逢わなかったら・・・。


いや、トダケシコルに入社していなかったら・・・?


イヤイヤ!


津山誠司に足蹴にされ慟哭してなかったら? 


「そうだ!誠司さんはどうしてるかな?」

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