第22話雀を咥えた白髪老人

しかし藍は、前向きな能天気で、これから待ち受ける身の毛もよだつような出来事を体験するとは、想定していなかったから藍は、プロの仏壇店の正社員として、藍の野望は計り知れない失敗する事を考えようとしない人間社会の常識的な欲望と野望を持ち合わせているに過ぎなかった。

 西多門の千鳥台は、坂の上にある。

その丘の上は垂水漁港を見渡せる最高のロケーションだった。

 市バスがすれ違う市道は交通量もさほど頻繁ではなかったから藍は歩道に乗り上げずに楽勝で駐車できた。

 タッタッタッ! 小走りで徳永家に向かう。

「徳永様、この度はご愁傷様でした。」

「先日お電話致しましたダケシコル仏具の早坂でございます。」チチチチ!と、スズメが藍の背後で餌を啄ばんでいた。

 千鳥が丘に西風が吹いた直後、チチーッ!チーチチチ!さえずりが乱れた方向に藍が振り向くと白髪の老人がスズメを咥えて藍を睨み立っていた! 

「よう

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