第20話薄気味悪い仏壇販売

 前髪を掻き揚げ電話営業のセリフ一部始終を書き、電話の右横に貼り付け、


「この度はご愁傷さまです。」


「ハートケア仏壇。」甲子園のウグイス嬢を気取って言ってみた。


「ダケシコルの早坂です。」


最初は棒読みだった。


「私の方で何かお手伝いする事はありませんか?」


「はぁ?」グッ!と、受話器に力が入る。


「いや、段取り通りですからいいです。


「私の段取りもあるんだからね!?そう思った時、ガチャン!


「ナニよ気持ち悪い。」


ナニよ気分悪い。


 想いがシンクロしていた。


「親でも兄弟でもないのに、誰か言ったの、お父さんが死んだ事?」


「いや、役所に届けただけだよ?」


こんなやり取りが交わされた事は確実で葬儀の最中に赤の他人から御悔やみの電話が

あったら誰でも気味悪いだろう・・・。

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