第17話単なる仏壇店
「毎朝役所から死亡情報がファックスされて来るからそれを見て訪問してもらうからな。」
「黒檀は沖縄方面に生息している木やき、琉球黒檀や、八重山黒檀が主流やきね。」
「マサに南国の仏壇なが。」
黒檀の説明を一通りぶちまけ、仕事のプロトコルに移行していく。
「人が亡くなったお客のお宅に入ってハートケアをしてもらうきネ!」
町子は、気合を入れているのか、シコを踏みながら淡々と述べていた。
「なーんだ、結構マトモな店じゃん。」
頭の片隅でそう思いながらポジティブなパッションが沸き起こる。
筈だった。
「ケアが終わったらお客は、アンタを信用しちゅうき、藍ちゃんに唯々諾々と従うきネ。」分からん!四文字熟語が!脳ミソを掻きムシリたかった。
「従業員は私だけなんですか?」
しばらく俯き考え込んだかと思うと、「そうなが。みーんな首になりよったか、死んでもうたかやきね藍ちゃんは欅が好きなが?」
先ほどの欅仏壇が気になりそんなことは、お構いナシに町子は、更に淡々と語った。
「藍ちゃんの言うことを聞いちゅうと思ったら店の仏壇を勧めてもらうきネ!」
「出来たらお東さんの1千万円級の仏壇を売り付けておいで!」
「何じゃそれっ!」
「単なる仏壇店じゃん!」
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