第16話仏壇販売店のプロトコル

「三十路過ぎても待ってろよな藍?俺の藍!」


「はい、待ってます。」


「アナタの妻として・・・。」


ジュン!と濡れた。


 あと何回面会に来れば抱き締めて貰えるんだろう?


 ふと、脳裏に過った煩悩を消すために店奥の欅仏壇を覗いてみたら町子との出逢いに何か運命的な物を感じ取った藍は、知らぬ間にズブズブズブと、ユニバーサルデザインの世界に脚を踏み入れていた。


 「毎朝役所から死亡情報がファックスされて来るからそれを見て訪問してもらうからな。」


「黒檀は沖縄方面に生息している木やき、リュウキュウコクタンや、八重山黒檀が主流やきね。」


「マサに南国の仏壇なが。」


黒檀の説明を一通りぶちまけ、仕事のプロトコルに移行していく。

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