第10話土佐弁の女

泣き濡れた早坂藍は、誠司の冷蔵庫から缶ビールを一本取り出し、タラコをつまみにどうして私は最終的にこうなってしまうんだろう?と考えバッグの中からスマホを取り出し、元々惚れやすい体質だったからデリヘルのゲスい客でもリピートしてくれたら完全に惚れてしまう。


 ダメなダメなホントにダメな早坂藍だった。


スタッフ募集のデリヘルサイトを覗いていた。


 デリヘルならば手取りは高額で、後腐れなく出会いと別れを繰り返すルーチンワークだから早坂藍は、俄然意欲的にスマホを眺めていた。


「「ダケシコル?シコルだけっての、楽勝じゃん!」


元ヤンキー魂を覚醒させた藍は、早速問い合わせてみた。


「はい、ダケシコルやき、面接希望かえ?」


土佐弁で語る嗄れた老人の様な中年の様な、男か女か判然としない電話口に、面接の日時を勝手に決められて一方的に電話を切られた。

「神戸

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る