第9話ドMの誠司

「彼女の生きざまを!」藍の事か!


チッチッと二回舌打ちしていた。


「なにを偉そうに、アリの癖に!」


誠司は吐き捨てた!


 洞窟から出ていこうとする誠司に「もう見せるしかない!」


「私はアーント、この国の女王よ!?」


アーントが叫んだ刹那、ビビビッ電気が走った!


津山誠司の歩みがピタッと止まる。


「女王様?」


 なぜなら・・・。


彼はドMだったからだ。


「インド人もビックリ!」


ニヤリとした左口角からヨダレが垂れていた。


 ふと見上げると遥か上空に小さな小さな白い穴がポツン・・・とあった。


 しかし、誠司の居る部屋は天井が低く直立で歩くには窮屈で寝転がれば十分なスペースを確保出来た。


「どうやって出口を出るかだ…。」


部屋にドアはなかった。


 「今頃どうしてるかな?」


誠司は壁に寄りかかり自宅に捨ててきた早坂藍の事を忖度した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る