第11話 勧誘 ~奴隷少女と、対等な関係~

 ※この作品には過激な表現を含みます! ご注意下さい。


『ねえ、坊や、うちのパーティに入らない?ボク達のパーティ、“時の猟犬団”に。』


 緑髪で褐色肌の盗賊娘が、若者をパーティに誘う。


 彼女にしては、少し歯切れの悪い、切り出し方だ。

 顔を赤らめ、モジモジとして、内股をこすりつけている。


「どのような待遇でしょうか?」

 若者は、労働条件を確認する。


「他の仲間と、まったく同じさ~。

 見習いの試用期間はあるけどね。」

 

「大丈夫、安心して~? ボクは、キミの味方だよ~?

 キミなら、“すぐ”に、正式なパーティの一員に、なれるよ。

 パーティ内の序列は、加入した順番だから、一番下かな~。

 魔法使いの“フィーナ”は、キミのすぐ上の先輩だから、仲良く、やってね。」


 地下室の“備品”として、扱われる可能性は、なさそうだ。


 だが、口約束に過ぎない。

 実際は要らなくなれば、肉体から“自由”にする、だけだろう。


 彼女は、若者を売って、金に買えるには、お互いを“知りすぎて”しまった。

 まあ、盗賊娘の性格からすると、平然と、奴隷商に売り渡しそうでもある。


「はい。わかりました。これから、よろしくお願いします。“ティン”さん。」

「えっ?いいの?

 ホントにいいの?

 仲間になってくれるの?」


 緑髪の線の細い少女は、かなり食い気味だ。

 糸目の顔をこちらに近づけて、少し慌てた様子をしている。


「坊や。

 念のため、言っとくけど、今のクエストも、依頼主と冒険者という、主従関係も、状況によって破棄したり、逆転しちゃうかも、だけど?」


「はい。問題ありません。

 “私”の“秘密”を知って、なお、“人”として、扱ってくれる事に、感謝します。」


 若者は、改めて自己紹介する。


「僕は、“ジョン”。

 “ジョン・ロードレック”と申します。炎魔法が得意です。

 “ティン”さん、これからは、よろしくお願いします。お世話になります。」


 若者は姿勢を正すと、改まって、伝える。


「“ティン”だよ~。

 よろしくね。“ジョン”君。

 他の仲間は、おいおい教えるね~。」


 緑髪の少女は、糸目を細めて、深い笑みを浮かべた。


「ようこそ、“時の猟犬団”へ。

 我々は、新たな猟犬である君を、歓迎する。

 誓約に基づき、正しき“狩り”が成されることを、祈る。」


 褐色肌の娘は、腕を組んで、大きな背伸びをすると、ふうっーと息を吐いた。


「それじゃあ、さ、“入団”祝いを、キミにプレゼント、しようかな~。」


 盗賊娘は、悪戯いたずらっぽく笑う。


「明日、夜が明けたら、市場へ買いに行こうよ。」




「かわいくて、美人な、“亜人”の奴隷をさ。」

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奴隷エルフが、名状しがたき『何か』に見える俺は、手遅れなのだろうか? 読んで頂けたら、うれしいです! @KEROKERORI

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