ボーイッシュ幼なじみのJKが超能力に目覚めたら、二人の距離が物理的に縮まった件
路地浦ロジ
第1話 俺っ子JK、超能力に目覚める
//SE 少し遠いチャイムの音
//SE 校舎裏の土の上を歩く足音、止まる
「お、来たか」
「悪ぃな。わざわざ放課後に校舎裏まで来て貰って」
「……用事とかなかったか? お前もほら、色々と忙しいだろ?」
「そうか……良かった」
「……それで、ちょ、ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけどよ」
「相談っつーか、なんつーか……。いや、別に改まってとかそんなこと……」
「……え、なに? はぁ!? 告白!? 俺が!? お前に!?」
「そ、そそそそそそんなわけないだろ! バカ!」
//SE 殴られる音
「お、おおお俺が何でお前に告白なんか……」
「え!? 幼なじみの女子に校舎裏に呼び出されたら誰だって告白だと思う?」
「知るか! 何の漫画の常識だそれ!」
「はぁ……はぁ……はぁ……。いや、悪い。取り乱した」
「……あ、うん、そうだな。告白だなんてふざけたこと言ったお前も悪いんだぞ。分かってんのか?」
「うん、よし。許してやるよ」
「ほんっとにお前はいつもしょうがねーよな……」
「昔から真面目な話しようとするとすぐふざけて……あ、悪い。そんな話じゃなかったな」
「……って、急かすんじゃねえよ!」
「ちょっと言い辛い話だから俺にだって心の準備とかあるんだよ」
「……最初に言っておくぞ? 絶対笑うなよ?」
「幼稚園からの付き合いのお前だから話すんだからな? 笑ったら絶対許さねーからな?」
「……」//少し躊躇う
「じ……実は俺、超能力が使えるようになったんだ」
「……」
「…………くっそ! やっぱり笑いやがった!」
「高校生にもなってこんな冗談言うわけないだろ。マジだよ! マジで超能力に目覚めたんだよ!」
「……い、いくらなんでも笑い過ぎだろ。地面転げ回るほど面白いのかよ!」
「……もういい。俺のこと信じねーんだったら帰れよ、バカっ! ……ぐすっ」
「……バッ! 別に泣いてねーよ」
「え? なに? ……笑ったけど、信じてないわけじゃない?」
「……いつだって俺のことを信じてる……って?」
「ふ、ふーん。……そうか。お前、俺のこと信じてるのか……」
「……へへっ。そ、そりゃあ俺だってお前のことを……って、何言わせる気だよ」
「ったく。相変わらず調子のいいやつだな、お前は」
「……仕方ないから続き話してやるよ」
「つっても、俺自身なんで超能力が使えるようになったのか分からねえんだ。朝起きたら何故か超能力が使える気がして、実際使ってみたら色々できたんだよ」
「色々は色々だ」
「……そうだなー、例えば今俺が付けてるヘアピンがあるだろ?」
//SE 髪からヘアピンを外す音
「こいつに力を込めると……んん~っ!」
//SE ヘアピンがぐにゃりと曲がる音
「っどうだ! 凄い曲がっただろ」
「……あとは、こんな風に落ちてる石を宙に浮かべたり」
//SE 小石が宙に浮く音
「ほら、すげーだろ? こんな風に自由自在に動かせるんだぜ!」
//SE 小石がビュンビュン飛び回る音
「ほらほら、見ろよ! お前の周りを石がびゅんびゅーん! くるくるーって……ん?」
「……なんだよ、そのガッカリしたような面は」
「なに? 思ったより大したことない超能力で期待外れだった。だあ?」
「あんまり俺のこと舐めるんじゃねえぞ。この程度で終わりなわけねーだろ」
「せっかくだ。ちょっと本気見せてやる」
「この校舎裏一帯にあるもの、全部超能力の風で飛ばしてやるよ」
「後で吠え面かくんじゃねえぞ!」
「……んんーっ、はっ!」
//SE 下から激しい風が吹く音
「へっ、どんなもんだ……」
//SE スカートがバサっとめくり上がる音
「えっ!? か、風でスカートが! ちょっ、ちが、スカートは……見えちゃう! だめっ!」
//SE スカートを押さえる音
//同時に風がやむ
「…………えっと……その…………見たか?」
「おい、目を逸らすんじゃねえよ。見たのかって聞いてんだよ」
「な、何をって? そ、そりゃあスカートの中のアレに決まってるじゃねえか。パ……パン……」
「あーもう、うるせえ! お前は見たか見てないかだけ答えりゃいいんだよ!」
「……」
「……え、シンプルな白で可愛いかったって? ぱ、ぱぱぱぱパンツの感想は言わなくていいんだよ!」
「っていうかしっかり見てんじゃねえか、この野郎!」
//SE 殴られる音
「……う~っ、なんで今日に限ってこんな子供みたいなパンツ……こんなことになるなら、もっと大人っぽいやつ履いてくれば……」//小声で
「って違う違う! なんで俺がそんなこと考えなきゃならねえんだ」
「今見たものは忘れろ! いいな!?」
「って、めっちゃ良い笑顔で親指立ててんじゃねえよ!」
「……なんなら記憶が飛ぶまでもう何発か殴っとくか? あん?」
「……よし。最初から素直にそう言っときゃ良いんだよ。うんうん」
「まぁ、今のは失敗しちまったから、とっておきを見せてやるよ」
「この超能力は凄いぜ~。どんな物にでも、磁石みたいな磁力を与えることが出来るんだ」
「ようするに、何でも好きなもの同士をくっ付けられるってことだ」
「例えばだなー。俺にN極の磁力を与えるとするだろ?」
//SE ぽんっと何かの力を付与しているような音
「次に、お前にS極の磁力を与えると……」
//SE ぽんっと、こちらに何かの力を付与してくるような音
「ん? ……え、え? なんだ? 引っ張られ……って、きゃあ!」
//SE 勢いよく引き寄せられる音
//SE 激しく二人がぶつかる音
「……いててて。まさかこんな凄い勢いでくっ付くなんて……」
「……凄いな、磁力を与える超能力」
「お前は大丈夫だったか?……って待てよ。くっ付く?」
「…………~~~~っ!」
//体同士が密着していることに気付いて恥ずかしがる
「……お、おま、なんで俺にこんなにくっ付いてんだ! ち、近すぎるって!」
「それに……俺の胸が、お前の胸にこすれて……んっ……だめっ……」
「……ってバッ! 今の声は何でもねえ! 早く離れやがれ!」
「え? なに? 俺の超能力で磁石みたいにしっかりくっ付いてるから離れられない?」
「それに超能力が原因なんだから、俺が何とかしろって?」
「……確かに。そりゃそうだな」
「よし、待ってろ。すぐに超能力を解除してやる……んんーっ……ん? あれ?」
「おかしいな。解除できない?」
「……って待て。お前何してる? こら。こらこらこら! 俺の匂いをかぐな!」
「俺、今日体育があったから汗臭い……え、良い匂い? そ、それなら別にいいかな……って良くねえよ!」
「変態かお前は! んーっ! くっそ、離れねえ!」
「もう、どうすりゃいいんだよー!」
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