第19話 微笑み
入院してから数週間が経とうとしていた。特に考えることもなく、気づいたら時間が流れていた。目覚めて消化に良いご飯を食べ、寝る。それを繰り返していた。寝れないことはなかった。多分疲れていたからだろう…。
そんなある日のこと、私は寝ぼけながらお昼ごはんを食べていた。すると看護師さんが話しかけてきた。
「Aちゃん。今日はね、お客さんが来てるんだよ。」
私はご飯を食べながらだったので首を傾げて「誰?」と目で訴えた。すると病室の扉が開く音が聞こえた。
「あっ、来たみたいだよ」
看護師さんがそう言うと2人の人をこちらに誘導した。その2人は…
校長先生といつもの先生だった。
私はご飯を食べてる最中だったのでちゃんと挨拶できなかった。だから食事を一旦中断してパッと横を見ると2人が立っていた。校長先生は一歩引き下がり、どうぞ。っていう感じで先生を誘導した。先生は一つ礼をして、私の側まで来てくれた。
「よかった。元気そうで。」
先生は笑顔でそう言った。私も自然に笑顔になった。それを見た先生がさらに顔を歪めた。この時間が私にとってはすごく嬉しくて幸せだった。先生も同じように思ってくれたら、いいな。そう思っていた。
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