第14話 信頼を勝ち取るために
次の日、私はリュックサックに昨日のコートを入れ、学校へと向かった。いつものように授業を受け、放課後、補習授業へと向かった。
ガチャ
「あれ?珍しいね、今日の補習授業は数学だけど」
完全に忘れていた。今週は数学の補習授業だった。でも引き返すのも何なので、そのまま授業を受けることにした。
数学の先生はとても熱血で、生徒からの支持も熱い。確か周りからは「花道先生」って呼ばれていたっけ。数学の先生はバスケがすごく上手でSLAM DUNKの桜木花道に似ていることからそう呼ばれていた。(本名はぜんぜん違うけど…)
いつもだったらたくさん人がいてあまり参加できなかったけど、珍しく今日は私とどっかのクラスの男子の二人だけだった。
補習授業が終わって男子生徒がすぐ部屋を出ると、花道先生(数学の先生)が話しかけてきた。
「この前は大丈夫だった?」
私は聞かれた事を完璧に理解したので頷いた。そして花道先生(数学の先生)は続けた。
「今日、君の担任の先生、出張で居ないんだけど、『これをAに渡してくれ』って言われたから、はい」
と、1枚の折りたたまれたメモ用紙を渡された。私は一つ礼をして、部屋を出た。
帰る途中、少し気になって内容を見てみると…
Aへ
最近出張で忙して色々話せなくてごめん。あと、昨日のコートは俺使わないからあげるよ。大事に使ってくれ。
もうすぐ冬休みになるけど、冬休み明けにある学年レクの出し物をやってほしくてこの手紙を書いてます。Aってダンス得意ってSから聞いたからやってみたら?まぁなんでもいいよ。とにかくよろしくね。心配しないで、君は一人じゃないから。
先生の書いた字はとてもきれいで、なんか特別な感じがした。嬉しかった。
人前に出るのは少し嫌だけど、先生の為なら頑張ってみたい。みんなからの信頼を勝ち取りたい!だから私は頑張ろうと自信が持てた気がした。
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