第13話 寒波襲来

 あれから数日が経ち、私はいつもと変わらない日々を過ごしていた。そんなある日の昼休み、



「今日の放課後「春の木公園」に来い、余計な物は着てくるな。」



Kにそう言われた。私は怯えながらも答えた。



「は、はい…」


私は嫌だった。でも受け入れるしか術はなかった。



















放課後、家に帰っても1人なので、そのまま公園に向かった。防寒着は右手に抱えていた。数分待った後、Nがたまたま通った。


「お前、ちゃっかり防寒着持ってるんじゃねーよ」


そう言われ、持っていた防寒着をすべて奪われた。そしてそのままNはその場を去っていった。私は震えながらベンチに座って待っていた。








私は辺りが暗くなっても待ち続けた。強い北風が強く吹付け、凍えるような寒さだった。確か、朝のニュースで言っていた気がする。「本日は寒波が流れ込み、凍える寒さとなるでしょう」みたいなことを。そんな時、私の肩に何か大きな布のような物が被さった。よく見たらそれは黒っぽい色のコートだった。温かく、どこか落ち着くような感触…。だけど振り返ったときにはもう誰ひとりとして姿は見えなかった。でもこの温もり…。私は薄々気づいていた。私はそのままゆっくりと家へと足を進めた。








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