第9話 痛みと苦しみ
「Aちゃん、また見に来るね」
Sさんに何時間も熱弁され、何を話されたかすら覚えていない。気づけば正午を過ぎていた。お昼のチャイムがなる頃、保健室の先生がやってきた。
「お昼ごはん、食べれそう?」
私はなぜだか食欲がなかった。そして突如、体の傷に痛みが出始めた。私は思わず、
「痛い…」
と言ってしまった。保健室の先生は少し申し訳無さそうに、
「ごめんね、お腹が空いたらまた言ってね」
そう言って、部屋を出ていった。
日が暮れ始めた頃、部活動終了のチャイムが鳴り、続々と生徒が門を出ていく。その時ドアが開く音がした。私は内心、またSさんだろうとため息を付くと…
「大丈夫か」
耳に入ったのはあの聞き慣れた声だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます