第9話 痛みと苦しみ

「Aちゃん、また見に来るね」


Sさんに何時間も熱弁され、何を話されたかすら覚えていない。気づけば正午を過ぎていた。お昼のチャイムがなる頃、保健室の先生がやってきた。

「お昼ごはん、食べれそう?」

私はなぜだか食欲がなかった。そして突如、体の傷に痛みが出始めた。私は思わず、

「痛い…」

と言ってしまった。保健室の先生は少し申し訳無さそうに、

「ごめんね、お腹が空いたらまた言ってね」

そう言って、部屋を出ていった。


日が暮れ始めた頃、部活動終了のチャイムが鳴り、続々と生徒が門を出ていく。その時ドアが開く音がした。私は内心、またSさんだろうとため息を付くと…












「大丈夫か」











耳に入ったのはあの聞き慣れた声だった。












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