第1話 偶然が招いた共感
私は初日から「行ってきます」という言葉すら発することなく家を出る。登校中、早速面倒なやつに出会ってしまった。背中を思っ切り叩かれて、
「お、は、よ、う」
と言われた。心の傷がまた一つ増えた気がした。夏休みに沖縄に行ったことが無かったかのようだ。
学校に着き、
―キーンコーンカーンコーン―
チャイムが鳴り響くと同時に、朝の会が始まった。
「おはようございます」
今にも壊れそうな声でそう言った。
そして、長い長い、先生の話が始まった。まともに良いことがない、最悪なるスタートだ。
そんな事を考えていたら、
「あと、今年は沖縄に行きました。」
何故かわからないがそんな話が耳に入ってきた。まさに偶然が招いたであろう共感である。驚きが隠せなかった。
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