第45話 もうすぐCS(クライマックスシーズン)!

キルトは何もない場所でオレを降ろした。


「えーっと、ここどこ?」

「多分…ハジマリの村があったとこ。」


キルトがそう言った場所は、建物の痕跡はあったものの、何もない、ガランとした場所だった。



村ごと消滅してる?



かつて村だったその場所を歩き回っていると、白い影がゆらゆらと揺れていた。

近づいて話しかけた。

「この世に生けるものは、みんな神の子じゃ。わが教会にどんな御用かな?」

「あの…」

「この壺を買ったら、そなたを厄災から守ってくれようぞ。それから、こっちの印鑑には、そなたを浄化する力がある。」



宗教かよ…



「壺は100,000ゴールド。印鑑は150,000ゴールドじゃ。」

「買う/買わない」



買わないだろ!



「それでは、壺は50,000ゴールド。印鑑は80,000ゴールドでいかがかな。」

「買う/買わない」



買わないって!



「なんと、買わないと申すか!嘆かわしい。」



ニセ教会だった。


もう一つ、白い影があったので、セオリー上話しかける。


「これはこれは、不思議な組み合わせの2人じゃ。何とも奇妙な未来が見える。お二人の未来に光あれ!」

あたりが光った。

「奇妙な未来って何だよ?」

「これはこれは、不思議な組み合わせの2人じゃ。何とも奇妙な未来が見える。お二人の未来に光あれ!」

また、あたりが光った。



このパターンか。



でも、光を浴びて、力が回復した気がする。

つまり、そう言うことだよな?

この何にもないところで、体力を無料で回復してもらえたってことは…



「魔王の城はあっちだよ。」

ずっと黙っていたキルトが言った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る