第40話 青い衣と銀色
何度か夜逃げを試みるも、全く逃げることができなかった。
キルトは、寝てないんじゃないかって思うくらい、小さな音でも目を覚ます。
これまで夜に爆睡してたのは何だったんだ??
それで何日も何日も、気が遠くなるくらいしごかれ続けたある日、キルトが言った。
「もう待てない。」
それで、オレはなぜか青い服に着替えさせられ、キルトにどこかに連れて行かれた。
着いたところには、信じられないくらいの銀色の魔物が、まるで京都のインバウンドの状況に匹敵するくらいうじゃうじゃいた。
その真上に、オレは落とされた。
「アイザックは、青い服をまといて、銀色の魔物の上に降り立ったんだからいけるよね?」
ああ、いろいろ混ざってるんだな、最近。
仕方なく、
「らんらーらららんらんらん。」
と歌いながら、銀色の魔物たちを倒していった。
いつもは出くわしても、すごいいきおいで逃げていく銀色の魔物が、あまりの混雑具合に動くことができず倒し放題だった。
こいつら1匹倒すだけでもかなりの経験値稼げるんだよな。
村のまわりを何時間もぐるぐるまわるよりよっぽど効率がいい。
それで結構な数倒していったから、すごいいきおいでオレの経験値が上がって行った。
「せいさいあただつのごんを魔物に握らせないで!」
いいよ。
言いたかったんだよな?
でもな、読み方思いっきし間違ってるから。
しかも、この状況で使うセリフでもないから。
キルト、文字読めるようになったからって、毎日何読んでるんだよ?
「もうアイザックに教えることはない。」
キルトが言った。
そうだな、それもな。うん…
いや、ちょっと待て!
最初からここへ連れてきてくれたら良かったじゃん!
あの毎日の特訓って何だったんだよ???
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