第38話 根性
「そろそろいいんじゃない?」
キルトにそう言われて、魔王を倒せる伝説の剣を作る鍛冶屋が住む村に戻ることにした。
ここはもうキルト様にお願いして、ひとっ飛びで連れ帰ってもらった。
魔王を倒せる伝説の剣を作る鍛冶屋が住む村に着いて、鍛冶屋の男のところへ行くと
「自分で言うのもなんだが、今まで作った剣の中でもこれは最高のできだ。絶対魔王を倒してくれ!オレはこれから飲みに行くから!」
そう言って、頼んでもいないのに勝手に作られた、魔王を倒せる伝説の剣を差し出してきた。
どうにかして受取拒否からの返品を画策していたのに、キルトはガン無視を決め込んでいるし、結局オレが剣を受け取るはめになってしまった。
魔王を倒せる伝説の剣を渡すと、鍛冶屋は早々に飲みに行ってしまった。
うらやましい。
魔王を倒せる伝説の剣を持ったオレに、キルトが言った。
「じゃあ、特訓しようか。」
えっ???
訓練とか、練習とか、鍛錬とか、地道とか、コツコツとか、毎日とか…とにかくそういうの…これまでさけて生きてきたのに。
部活だって運動系はさけてきたんだ。
「巨●の星」見て、主人公が重そうなローラーひいているの見て、あのローラーはてっきり「オモイコンダラ」って名前だって思ってたし。
「ト●とジェリー」見て、「ネコだって生き物さ!ネズミだって生き物さ!」のとこを「ネコだ!テイキモノさ!ネズミだ!テイキモノさ!」って思ってて、「テイキモノ」って何なんだ?ってずっと思ってたし。
「何してるの?」
「あ…」
「『転居届』とか書いても無駄だから!」
キルトは書きかけの転居届をオレから奪うと破り捨てた。
「魔王を倒せる伝説の剣使って本気で向かって来て。」
「でも、ほら、危ないから。」
「当たるとでも思ってんの?その程度の実力で?」
いきなりキャラ変…
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