第36話 軌道修正

橋を後にして先に進むと、お城があった。


足を踏み入れると、城の中は、なんだか悲しみにおおわれている。



「失礼ですが、勇者様とお見受けしました。どうか、王様の話を聞いていただけませんでしょうか?」

いきなり、一人の兵士に声をかけられた。

キルトが

「もちろんです。」

と答えた。



やっぱそうなるよな…



兵士はいきなり王の前にオレたちを連れて行った。

この辺のくだりはショートカットされたので、王様がいきなり話す形になった。

「勇者殿、どうかお助けください。悪い魔物に…別の姿にかえられてしまって…どうしたら良いのか悲しみにうちひしがれております…」

王様は人目もはばからず泣き始めた。


王様の横には、かわいいチワワがちょこんと座っている。



チワワ…またチワワか…



「chatで質問したところ、このお城の先にある、建物の中の檀上に置いてある、ミラーの鏡で姿を映せば、呪いはとけるとAIが答えてくれたのですが、檀上のまわりは恐ろしい魔物がいっぱいで、誰もミラーの鏡を取りに行くことができないのです。」

「あの、ダンジョンじゃなくて、檀上なんですか?」

「はい、そう申しげましたが?」

「ミラーの鏡で間違いないですか?」

「はい、間違いありません。」



そうか、いいのか…

「檀上」はてっきりダンジョンの変換間違いかと思ったけど、あってるのか。

じゃあ、「ミラーのミラー」になってしまってるのも、いいのか。



「アイザック、ミラーの鏡を取りに行こう。」

キルトが言った。



キルトはホント、こういう話に弱いんよな。

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