第31話 魔王を倒せる伝説の剣を作る鍛冶屋が住む村

魔王を倒せる伝説の剣を作る鍛冶屋が住む村に着いて、早速宿屋に行くと、食堂で一人の男が飲んだくれていた。

まさにオレの理想とする姿だ。


「あの人も昔は立派な鍛冶屋だったんだけどね…」

宿屋のおかみさんがカラアゲの皿を運んできた時に、教えてくれた。

「まぁ、今じゃ誰も相手にしない、ただの落ちぶれた鍛冶屋さ。」



なんだ?

めちゃくちゃパワーワード出て来た。

・飲んだくれ

・誰も相手にしない

・落ちぶれる

しかもおかみさんのあのあきれたような物言い!

これって、まさにオレが思い描いている未来じゃないか。



オレは鍛冶屋の男に話しかけた。

「あの、聞きたいことがあるんですが。」

「無駄だよ。オレはもう鍛冶屋はやめたんだ。」



そっちはどうでもいい。



「あんたも、魔王を倒せる伝説の剣が欲しいのか?」



特に欲しくない。



「ふんっ。そんな簡単にできるもんじゃないんだよ。特別な材料がいるんだ。」



聞いていない。


落ちぶれる方法を聞きたいのに話が通じない。



「まぁ、仕方がないな。お前ら、うちに来たらいい。話してやるよ」



頼んでない…

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